NGO駐在員と行く!春休み カンボジアスタディツアー 2014
3月23日(日)
3月16日(日)より「NGO駐在員と行く!春休みカンボジアスタディツアー2014」を催行しました。今回は9名が参加してくれました。
16日(日)
夕方から夜にかけて到着時間はバラバラでしたが,参加者9名全員無事にシェムリアップ国際空港に到着し,タプロムホテルにて宿泊しました。
17日(月)
午前,アキラ地雷博物館に行きました。参加者はまずここで,カンボジアの近代史を通して地雷・不発弾問題及びその背景を学びました。これまでこのアキラ地雷博物館では川広さんという日本人の方が案内してくださっていましたが,つい先日その川広さんが帰国されたため,今回は後任としてこられた田辺さんが案内をしてくださいました。参加者たちも真剣に耳を傾けていました。
案内役の田辺さん。
午後はまず,一二三日本語教室を訪問しました。教室に入るとリヒエン君(愛称マツジュン君)が3月22日に行われるのど自慢大会に向けて歌の練習をしていました。訪れたツアー参加者にもその甘い歌声を披露してくれました。その後鬼一二三先生の授業を生徒さんたちと一緒に受けました。生徒さんたちとの意見交換もでき,有意義な時間を過ごすことができました。
歌を披露するマツジュン君(奥)。
続いて,フィジカル・リハビリテーション・センターへ行きました。患者さんの受け入れ体制や義手・義足づくりなど施設の概要を説明してもらい,患者さんのリハビリの様子も見させてもらいました。また,患者さんと直接お話しする場も設けてもらいました。
患者さんのリハビリの様子。
18日(火)
この日は午前にCMCが支援している中学校の一つであるコーントライ中学校に行きました。自己紹介等簡単なあいさつを済ませた後,各クラスの授業を見学させてもらいました。第9学年(中学3年)のクラスでは物理の授業が行われました。授業内容は日本の高校物理のような高度な内容も含まれており,「日本より難しいことをやっている」と見学した参加者たちも驚いていました。将来教師を目指している人やアルバイトで塾講師をしている人もいて,関心は高かったようです。
自己紹介はカンボジア語でしてもらいました。どこまで伝わったかは定かではありませんが・・・。
午後は,CMCが支援しているもう一つの中学校,トゥールポンロー中学校へ行きました。ここではまず,生徒のお母さんが作ってくれたお昼ご飯を頂き,その後は生徒たちからカンボジアの伝統的な遊びを教わり,一緒に遊んで過ごしました。参加者の皆さんも汗だくになりながら楽しみました。
ハンカチ落としにとてもよく似た遊び。
19日(水)
この日の朝はまずトンレサップ湖へ行きました。トンレサップ湖は伸縮する湖として知られ,3月のこの時期は水位が下がり,面積も相当に小さくなっていますが,それでも日本の琵琶湖をはるかにしのぐ面積を誇ります。湖上の店に一時立ち寄りましたが,ここでは生け簀で飼われている(?)ワニを見たり,現地の子どもがつれて来た巨大な蛇を見たり触ったりすることもでき,いろいろと楽しめました。
体は大きいが人畜無害。けっこう心地よい肌触り!?
カンボジアではどこの家にでもあるハンモック。ハンモック初体験の人も多く,恐る恐る試してみますが,ひとたび寝てみるとその不思議な感覚(心地よさ)に思わず笑みがこぼれます。
午後はまず,シェムリアップの繁華街からバスで約1時間走ったところにあるベンメリアという遺跡に行きました。ここは,映画「天空の城ラピュタ」に出てくる城のにとてもよく似た遺跡です。内戦等の影響で城の石垣は多くが崩壊していますが,それこそがまさに崩壊したラピュタを彷彿させられます。ラピュタを知らなくても十分に楽しめる場所ではありますが,ラピュタ好きにはどうしてもラピュタと重ねてみてしまう(むしろそのために行く?)遺跡です。
巨大な木の根が城壁を覆い,パズーとシータが城に降り立ったときの情景を思い起こさせます。
続いて「Little Angels」という孤児院に行きました。ここでは子ども達が工芸品である影絵を作り,その収益を運営費に当てている孤児院です。外観は子ども達が工芸品を作る影絵工房であり,孤児院という感じはまったくしませんが,奥には子ども達の寝室などもあるれっきとした孤児院です。子どもに労働をさせているという批判も一部にはあるようですが,子ども達は作業を通していろいろなことを学び,成長していっているように思えます。子どもが心身ともに健やかに育つための環境はどうあるべきか,カンボジアだけでなく日本も含め,いろいろと考えさせられます。
施設の代表であるラタナックさん(一番右)に施設の概要を説明してもらいました。
20日(木)
最終日のこの日は終日アンコール遺跡群を観光しました。暑い中汗だくになりながらも(中には歩き疲れてへとへとになりながらも),皆さん世界遺産アンコール遺跡群を堪能されました。
有名な遺跡の一つ,タプロム遺跡(宿泊しているホテルと同じ名前の遺跡)。木が城壁と融合してます。これもまたラピュタっぽいと思ってしまうのは,ラピュタファンの性・・・。
夜,帰りの便がややバラバラでしたが,皆そろって空港へ行き,それぞれに思いを秘めて帰国の途に就きました。
今回のツアー参加者は非常に好奇心旺盛で,訪れた場所だけでなく,道端で売られている食べ物などにも非常に興味を持ち,積極的に食べていたのは印象的でした。ただ,コウロギや小型のカエルは比較的食べる人が多かったですが,フルーツの王様ドリアンやポーンティアコーン(孵化する直前のアヒルの卵)は食べられない人が多かったです。しかし,「挑戦したけどやっぱり無理だった~」というのもまた貴重な経験ではなかったでしょうか。いずれにせよ,日本にはない文化や風習に触れることはそれだけで刺激になるし,逆にそれを通して改めて今まで意識しなかった日本のこと,さらには自分のことを意識できるきっかけにもなり,それが成長につながると思います。将来進む道はそれぞれ違ったとしても,このスタディ・ツアーが参加者の皆さんにとって刺激となり,今後の人生を豊かにする一つのきっかけとなればとてもうれしい限りです。また機会があったらカンボジアに遊びに来てください。
文責:曽田実
2014年3月25日更新