被害に遭った子どもたち

お母さん、ぼくの足を探してきて…

ボル・ビジット君(6歳)

その日も同じように、お兄ちゃんやいとこたちと鬼ごっこをして遊んでいた。無邪気にお兄ちゃんを追いかけるビジット君。そしてお兄ちゃんたちがかけていった場所を通った瞬間、彼の右足は吹き飛ばされた。
病院で悲しみにくれる父親と母親だったが、ビジット君本人だけは普段と変わらない様子。自分の右足が事故現場にまだ残っていると思っていた。「お母さん、ぼくの足を探してきて・・・」と言う彼の言葉は、母親を何度も悲しませた。

一緒に遊んでいたお兄ちゃんは即死だった

リアスメイちゃん(5歳)

2012年2月14日。 その時彼女は、8歳のお兄ちゃんと一緒で、どこからか持ってきた不発弾で遊んでいた。そのうちに不発弾が爆発、お兄ちゃんは即死した。
彼女のお腹や足にも破片が吹き飛び、大けがを負った。
このような子供たちの不発弾事故は多い。被害をなくすためには地雷撤去と不発弾を見ても触らないよう教える「危険回避教育」が必要なのだ。

おもちゃを探していたら、ランプのような
おもしろい形のやつを見つけたんだ!

ブン・ヘイン君(13歳)

彼の村は、バッタンバン州の中でも地雷や不発弾が多い地域だった。牛の世話をしながら友達と遊んでいた時に、おもちゃみたいなものを見つけた。そして地面に打ち付けた瞬間、その不発弾は爆発。彼の左手と右手の指を奪った。
事故直後、「ごめんなさい。全部ぼくが悪いんだ。」と泣きながら何度も言っていたという。
父親と姉をなくしている彼の家族は、母親が一日約150円の給料で働いている。左手をなくしたブンヘイン君は学校の後、牛飼いや妹や弟の面倒や食事の支度をしてお母さんを助けている。

12歳で両足を切断

チャン・テッド君(12歳)

木炭づくりをする父親の収入は月に3000円ほどと低く、家族4人は貧しい生活をしていた。
ある日、父親の仕事を手伝おうとチャン・テッド君はいっしょに森に入った。そして木のふもとにあった地雷を踏み、片足を吹き飛ばされた。治療できる病院が近くにないため、タイの病院まで2時間半、足の肉や骨がむき出しになったままで運ばれた。
その後、変形して残っていた右足も切断することになり、彼は両足を失った。
「へっちゃらだよ!」と笑顔を見せてくれるチャン・テッド君。つらい気持ちを背負いながらも必死で前へ進もうとしているようだ。