地雷被害の現状

現在世界では、毎年4,000人を超える人々が地雷や不発弾被害により死亡または手足を奪われています。(※1) 2時間に1人のペースで地雷や不発弾被害が今も世界のどこかで起こり続けているのです。
世界の地雷・不発弾被害者数を調査しているICBL(地雷廃絶国際キャンペーン)発行のランドマインモニター2011によると、2010年のカンボジア被害者数は286人。内戦終結後(1993年の総選挙)からすでに20年経っているにも関わらず、内戦の続く中東のアフガニスタン、パキスタン、南米コロンビアに次ぐ多さでした。また、被害者数累計は2012年2月までで、64,057人。(※2)
これは、アフタニスタンやコロンビアなどの被害者累計の4倍から6倍以上にもなります。日本の半分の面積である狭い国土の中に、約600万個もの地雷が生活圏に埋設されていることが、カンボジアで地雷・不発弾被害が今も多発する原因と言われています。内戦が終わった今でも、カンボジアは世界でも類を見ない地雷被害大国なのです。

※1 ICBL(地雷廃絶国際キャンペーン)発行のランドマインモニター2011による統計
※2 1979年終わりから2012年2月までの被害者数。CMVIS(カンボジア地雷被害者情報機関)による統計。

病院

戦争被害者の無料治療を行っているエマージェンシーホスピタル(バッタンバン市)に対し、CMCでは地雷・不発弾被害者の治療のための資金援助を継続して行っている。その他、エイズ患者を治療する第5軍病院への支援も実施してきた。

※エマージェンシーホスピタル:戦争地域において無料で緊急治療を行うイタリアのNGO病院。カンボジアでは、1998年より地雷・不発弾被害の最も多いバッタンバンに拠点を置き戦争被害者や貧しい村民の治療を行ってきた。カンボジア以外に、イラク、アフガニスタン、シエラレオネなどでも活動している。

職業訓練・就業支援

首都圏や都市部の経済発展が進む一方で地雷原の村の人々や地雷被害者は経済的な格差の広がりに苦しんでいます。CMCでは被害者の自立支援や村人の生活向上に向け、経済特区への就業促進や「さをり織り」の技術習得などに取組んでいます。また、CMCが2005年から継続してきたラジオ番組「ボイス・オブ・ハート」では、被害者の心のケアに止まらず、仕事の案内や「さをり織り」の広報にも努めています。