これまでカンボジアでは、地雷撤去や被害者の治療、義足の提供、リハビリなどの支援が各国NGOにより行われてきたが、CMC現地駐在員が、奥地にある地雷原の村々を訪問し被害者とのインタビューを繰り返す中でわかってきたのが、「被害者の心のケア」の必要性だった。地雷被害者の多くが、手足を切断されたことで仕事を失い、差別を受け、生きてゆく希望さえも奪われている。そこでCMCでは、彼らに元気を取り戻し生きる希望を持ってもらうために、被害者同士が痛みを分かち合い、励ましあえる場を作ることにした。それが2005年から現在まで継続して放送することになるラジオ番組「VOICE OF HEART」であった。番組では被害者からの手紙や詩を読み上げるコーナーが人気となり、障害があっても家族の為にがんばる人や被害者への励ましの言葉が多くの被害者リスナーの共感を得た。
古川駐在員とカンボジアの大スター、プリエップ・ソバット氏
2005年スタート時、古川駐在員と現地スタッフキム君の熱心な働きでカンボジアの大スター、プリエップ・ソバット氏のDJ参加が実現した!ビッグゲストがDJとして参加したことで、「VOICE OF HEART」は被害者だけでなく多くのリスナーを呼び寄せることになった。 番組放送終了後は可聴エリアでのリスナー調査も行い、より心に響く放送を目指して番組の構成や内容の充実を図り続けている。
さらに現在は、遠隔地の為情報の入らない被害者へ、病院やリハビリセンター、職業訓練センターなどの情報提供も行い、さらに障害者への差別解消や子ども達への地雷危険回避教育を訴えるなどの役割も果たしている。世界初となる被害者のためのラジオ番組「VOICE OF HEART」は、多くの地雷撤去支援機関・病院、教育機関、NGO・企業の協力と共に、地雷被害者の多いエリアで現在も放送を続けている。
ラジオ番組の中では、地雷被害者や障害者の方々から寄せられた詩や手紙を朗読するコーナーが好評。その一部を紹介します。
作者:バッタンバン州 ロウ・ハフオ(2008年6月)
私は障害者
職業技術を身につけるため懸命に励んでいる
なぜなら
良き未来を掴むために重要なことだから
私は障害者
体の一部を失った
しかし私は健常者と同じ気持ちを持っている
私は生きているのだ
だから障害のある人生を改善するため
懸命に努力するのだ
障害のある人生を改善する方法に
職業技術の習得がある
それは私たちの人生を改善する最善の道となるかもしれない
障害者の皆さん
自分の人生を哀れと感じないために
ポスターは、関係機関はもとより、こんなところにも貼ってあります!