冬休みスタディ・ツアー
1月5日(日)
2013年12月23日(月)から12月28日(土)までの1週間,CMC冬休みスタディ・ツアーがありました。今回は9名の方々がご参加くださいました。
23日(月)
夜10過半過ぎ,シェムリアップ国際空港にて全員カンボジアに入国,この日の宿であるタプロムホテルにて翌日からの過酷な(?)長時間バス移動に備え,すぐに就寝しました。
24日(火)
この日は,まず「一之瀬泰三氏の墓」へ行きました。ここは内戦時代のカンボジアに赴き,若くして命を絶った日本の戦争カメラマン一之瀬泰三氏の墓です。墓は現地の村人が立てたようです。一之瀬氏は「地雷を踏んだらサヨウナラ」という映画でも話題となり,多くの日本人が訪れるようです。
![村人が立てた一之瀬泰三の墓。](http://www.cmc-net.jp/wp/wp-content/uploads/2014/01/d9a68610e5d6bfb97f0c8e56898db6b91-438x329.jpg)
村人が立てた一之瀬泰三の墓。
次に「アキラ地雷博物館」へ行きました。ここは川広さんという日本人の方が常駐し,博物館を訪れる日本人観光客を案内しておられます。CMCもこれまで何度もツアーでこの博物館を訪れ,その都度に川広さんに案内してもらいましたが,そんな川広さんがもうじき日本に帰られるとのことです。とても残念です。おそらく川広さんに案内してもらえるのはこれが最後になると思われますが,今回もとても丁寧にそして熱くカンボジアの歴史やアキラの功績を語ってくださいました。とてもいい勉強になりました。
![川広さんによる説明。](http://www.cmc-net.jp/wp/wp-content/uploads/2014/01/c1574b0fa5c140cc4d08672d69dac08b1-438x329.jpg)
川広さんによる説明。
続いて,2008年7月に世界遺産登録(カンボジアではアンコールワットに次いで2番目)された「プレアヴィヒア寺院」へ行きました。この寺院はタイ国境沿いの断崖絶壁の上に建てられた寺院で,そこから見下ろす風景は実に壮大ですばらしいものです。さて,寺院から北側に歩いていくとすぐにタイ国境に行き着きます。このタイ国境は近年紛争があり,現在封鎖されていて兵隊さんたちも常駐するなどやや物々しい雰囲気が漂います。地雷や不発弾もいまだ残っているようです(観光客が歩く場所は撤去済み)。今は紛争もなく落ち着いていますが,また紛争が起きる可能性もないわけではないです。
![絶壁の上からカンボジアの大平原を見下ろせます。](http://www.cmc-net.jp/wp/wp-content/uploads/2014/01/fde2841354c35d5ed7dda8d42adcd94f1-438x329.jpg)
絶壁の上からカンボジアの大平原を見下ろせます。
![現在封鎖されている国境](http://www.cmc-net.jp/wp/wp-content/uploads/2014/01/f439642b8bb0722d75f6ae7ef350b5131-438x329.jpg)
現在封鎖されている国境
25日(水)
この日はアキラ氏の率いる地雷撤去団体CSHDの地雷撤去現場を見学しました。今回の地雷原はプレアヴィヒア州チャエプ郡というラオス国境沿いの地域。地雷撤去作業員たちは草木がうっそうと生い茂るこの場所において,草を刈り,刈った場所を金属探知機で探り,安全が確認できたら少し歩を進めてまた草を刈り,金属探知機で探るということをひたすら繰り返します。気の遠くなるような作業ですが,命にかかわることなので非常に慎重に行われます。こちらにもその緊張感が伝わってきます。最後はこの日発見された地雷と不発弾のそれぞれの爆破処理を遠くから見させてもらいました。
![アキラ氏による地雷原の説明](http://www.cmc-net.jp/wp/wp-content/uploads/2014/01/6b58d9bb390474329fabf925587b4d991-438x329.jpg)
アキラ氏による地雷原の説明
![草刈り](http://www.cmc-net.jp/wp/wp-content/uploads/2014/01/5490d546556f027b180d94ca0191a6df1-438x329.jpg)
草刈り
![金属探知機での地雷探知](http://www.cmc-net.jp/wp/wp-content/uploads/2014/01/a363b55310e7aacd1336efc05bb3e07e-438x329.jpg)
金属探知機での地雷探知
26日(木)
この日はまず午前中に“伸縮する湖”として有名なトンレサップ湖に行きました。今は乾季に入って約1ヶ月がたったところで,少しずつ水が引いて湖が小さくなっている最中です。水上に建てられた家や学校などを眺めながら,ボートクルージングやカヌーを楽しみました。さすがに年末の繁忙期とあってカヌー乗り場は観光客でごったがえしていました。
![カヌー乗り場。](http://www.cmc-net.jp/wp/wp-content/uploads/2014/01/2cd7a6e60d3297c88b61d38a530a22c7-438x329.jpg)
カヌー乗り場。
午後は国際日本文化学園(鬼一二三日本語教室)と義足リハビリセンターに行きました。鬼一二三日本語教室では,代表の鬼一二三先生が学校を紹介してくださった後,ここに通う生徒さんたちと交流をしました。
![鬼一二三日本語教室の生徒さんとの交流](http://www.cmc-net.jp/wp/wp-content/uploads/2014/01/a02173265ebcfd4950aa52ada04e055c-438x329.jpg)
鬼一二三日本語教室の生徒さんとの交流
義足リハビリセンターでは,義足作りの工程や患者さんが義足をつけて歩行訓練を行う様子などを見学しました。
![義足リハビリセンター](http://www.cmc-net.jp/wp/wp-content/uploads/2014/01/c2a97f96b83151ce84608f5f227bd5f7-438x329.jpg)
義足リハビリセンター
27日(金)
この日は,バンテアイミエンチェイ州にあるCMCが建てた2つの中学校,コーントライ中学校とトゥールポンロー中学校を訪問しました。午前,まずはコーントライ中学校に行きました。ここでは,生徒たちとサッカーや縄跳びなどをして一緒に遊びました。午後はトゥールポンロー中学校へ行きました。ここでは,CMCのMREスタッフによるMRE(地雷・不発弾危険回避教育)をツアー参加者の皆さんに見てもらいました。その後,地雷被害者のお宅に伺い,インタビューをしました。今回インタビューを受けてくださった方は地雷被害で片足を失いながらも子どもを育てるために独力で椅子やベッドなどの家具作りを覚え,今ではそれで十分家族を養っていけるほどの収入を得ているとのことでした。物静かな方ですが,家族への愛情と生きる意欲に満ち溢れたたくましい人でした。
![コーントライ中学校](http://www.cmc-net.jp/wp/wp-content/uploads/2014/01/047fe446b986369d27234da9e7ecddfb-438x329.jpg)
コーントライ中学校
![MREスタッフによるMRE授業。ツアー参加者の皆さんも生徒に交じって受けてもらいました。](http://www.cmc-net.jp/wp/wp-content/uploads/2014/01/5639aecdae84c5f6fdd2a3a848b572bf-438x329.jpg)
MREスタッフによるMRE授業。ツアー参加者の皆さんも生徒に交じって受けてもらいました。
![トゥールポンロー中学校](http://www.cmc-net.jp/wp/wp-content/uploads/2014/01/794f4ea1beaa704c42ef7da15ddbcee9-438x329.jpg)
トゥールポンロー中学校
![地雷被害者インタビュー](http://www.cmc-net.jp/wp/wp-content/uploads/2014/01/PC270702-438x329.jpg)
地雷被害者インタビュー
28日(土)
この日は1日アンコールワット遺跡群を回りました。私は所用があり同行しませんでしたが,皆さん楽しく過ごされたようです。
![OLYMPUS DIGITAL CAMERA](http://www.cmc-net.jp/wp/wp-content/uploads/2014/01/PC280218-438x329.jpg)
世界遺産アンコールワット遺跡群観光
今回の冬休みツアーは地雷原視察がプレアヴィヒア州だったことから,ついでと言ってはなんですがプレアヴィヒア寺院も観光することになり,とても濃密な行程となりました。ただその分バス移動も長時間にわたり,皆さんかなりお疲れになったことと思いますが,どなたも終始健康で楽しくツアーできたようで何よりでした。また楽しかったことだけでなく,ここで見たこと・聞いたこと等をまた日本でじっくり思い返し,各自の学びとしていってもらえたらと思います。
文責:曽田実
2014年1月7日更新