パソコン技術訓練による地雷被害者・地雷原生活者収入向上プロジェクト④
2月2日(日)
1月8日より順調に滑り出したかに見えたバッタンバンでのパソコン業務ですが,思わぬ事態が発生しました。2人のスタッフのうちの一人スレーン・ハイが20日,一身上の都合により仕事を辞めて実家に帰ってしまったのです。2ヶ月の訓練を経てようやく仕事が始まった矢先での辞職で,こちらとしてもとても残念です。現在,事務所ではもう一人のスタッフ,ロン・チャンティが一人黙々と切り抜き業務を行っています。今後しばらくはチャンティ一人で業務をこなしていくことになりますが,慣れてきたころにまた募集をかけ,少しずつスタッフを増やしていく予定です。
さて,そのチャンティですが,順調に業務をこなしているように見えていましたが,つい数日前「辞めようかと考えている」と訴えてきました。「チャンティお前もか!?」と思いましたがよくよく聞いてみると,「自分はほかの人(プノンペンのダイロク社員)のようにうまくやっていく自信がない」「CMCに迷惑をかけたくない」とのことでした。チャンティは自身の境遇もあるとは思いますが,自信を持てないために悲観的になりすぎ,なおかつ周りの目を気にしすぎるところがあるようです。また,自ら望んで応募して得た仕事ですが,ずっと田舎で暮らしてきた彼にとってここ数ヶ月での生活環境の激変も精神的に大きな影響を与えているようです。
私が見る限りでは能力は低くないし,まじめでこつこつやる性格で着実に伸びるタイプだと思っています。考えすぎてしまう性格はなかなか直せないとは思いますが,業務をこなしていきながら,少しずつ着実に自信をつけていってもらいたいです。
以前現地活動レポートの中でチャンティが日本語の勉強も独自に始めたと書きましたが,現在ひらがなをほぼ覚え,「おはようございます」「さようなら」等の簡単な単語も書けるようになってきました。さらに,実は日本語だけでなく,ギターも始めたようです。悲観的に考えすぎる性格ですが,好奇心旺盛で行動力もかなりあるようです。まずはいろいろな面で自信をつけていき,仕事や余暇を楽しんでもらえたらと思います。そのうえで,今後CMCの貴重な戦力として活躍することを期待しています。
チャンティにひらがなの試験をしています。何も見ず,思い出しながら書いています。
チャンティの書いたひらがな。
休日近隣住民をちょっと気にしながら部屋でギターの練習をしています。そのうち日本の歌を弾き語りするかも?
文責:曽田実
2014年2月3日更新