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    カンボジア現地視察ツアー レポート

    7月7日(日)から13日(土)までの7日間にわたって,カンボジア現地視察ツアーを催行しました。お越しいただいたのは,守勢塾の皆様総勢11名。以下,ツアーの様子について報告いたします。

    7月7日(日)

    ツアーメンバーの皆さんがシェムリアップ空港に到着したのは,夜の10時半。そこからバスに乗って15分でこの日の宿であるタ・プロームホテルに着きました。みなさんお腹が空いているとのことでしたので,チェックインした後,腹ごしらえに街へ出ました。お腹を満たし気分も満たされたところで,翌日に備えてその日は就寝しました。

    7月8日(月)
    この日は,午前中アキラ地雷博物館を見学し,午後に義足リハビリセンターと鬼一二三日本語教室を訪問しました

    地雷博物館にてビデオ上映

    朝9時バスでホテルを出発し,約50分かけてアキラ地雷博物館に行きました。博物館に入ってまず,過去に日本で放送されたアキラ氏の地雷撤去に関するテレビ番組のビデオを見ました。その後約1時間,アキラ地雷博物館のガイド・川広さんに館内を案内してもらいました。1時間という短い時間でしたが,川広さんの軽快な語り口でカンボジアの地雷問題やその歴史的背景など,非常に濃密な内容を勉強させてもらいました。

    (写真左)川広さんによる説明。(右)右側にある物体は不発弾。

    昼食をとった後,義足リハビリセンターを訪問しました。ここは,地雷被害や交通事故などに遭い,手や足を失った方々の義足や義手をつくって提供し,なおかつリハビリ訓練を行う場所です。この施設のマネージャーであるケオ・ラタさんに施設を案内してもらいました。ここでも,地雷博物館の川広さん同様,非常に親切丁寧に,そして熱心に説明してくださいました。

    義足リハビリセンター。白いシャツの方がケオ・ラタさん。

    義足づくりの様子。

    次に,鬼一二三さんの日本語教室を訪問しました。残念ながらこの日鬼さんは不在でしたが,代わりに,ボランティアの浦田さんの音楽の授業を見学させてもらいました。実はこの2日後(7月10日)が鬼さんの誕生日ということで,鬼さんに内緒で誕生祝を生徒たちと浦田さんが計画していました。「ハッピー・バースディ・トゥ・ユー」「上を向いて歩こう」「鬼のパンツ」の3曲を歌うことになり,その練習をしました(もちろん日本語で)。生徒たちは振り付けもしながらとても楽しそうに歌っていました。この教室ではほかにも,生徒の書いた習字や川柳などが掲示されていました。なかなか味わい深くて面白いものばかりでした。

    国際日本文化学園(鬼一二三日本語教室)

    前でエレクトーンを引いているのが浦田さん。後ろの壁には習字が展示されています。

    7月9日(火)
    この日は,シェムリアップ州の隣,バンテアイミエンチェイ州のタイ国境近くにある2つの中学校を訪問しました。朝7時過ぎにホテルを出発し,約2時間半かけてまずはCMCコーントライ夢中学校を訪問しました。学校に着くと生徒たちが出迎えてくれました。対面式では,ツアーメンバーの方が用意してくださったハンカチが生徒一人ひとりに手渡されました。生徒たちは皆ハンカチを手にして嬉しそうな様子でした。その後,校庭でサッカーをしたり,急きょ教室を借りて日本語教室を開いたりと,皆さんと生徒たちが交流を楽しみました。

    CMCコーントライ夢中学校での対面式。

    ツアーメンバ-吉野さんによる日本語教室。

    約2時間コーントライ中学校の生徒と交流した後,今度はもう一つの中学校,CMCトゥールポンローみおつくし中学校を訪問しました。ここでも同様に生徒が出迎えてくれ,対面式にてハンカチをプレゼントしました。昼食はここの教室で,生徒のお母さんの手作り料理をごちそうになりました。レストランの料理もいいですが,カンボジアの家庭料理もなかなかいけます。昼食後は生徒たちと交流を楽しみました。この日は,バンテアイミエンチェイ州の州都シソポンにあるプリア・チャン・ホテルに泊まりました。

    CMCトゥールポンローみおつくし中学校。生徒が校門で整列して出迎えてくれました。

    教室を借りて昼食。カンボジアの本場家庭料理。

    7月10日(水)
    この日は,アキラ氏が運営するCSHD(=Cambodia Self Help Demining)の地雷撤去現場を視察しました。現場はバンテアイミエンチェイ州のタイ国境近くで,前日のトゥールポンローのにほど近い場所でした。博物館で資料を見たり説明を聞いたりしてきましたが,ここはまさに最前線の現場です。この日アキラ氏は不在のため,副隊長のリエン・ソムボーさんから現場の状況を説明してもらいました。

    CSHDの制服を着ておられるのが副隊長のリエン・ソムボーさん。

    その後,ややぬかるんだ歩きにくい道を20分程度歩き,待避所に到着。ここで,プロテクタ-とヘルメットを装着し,地雷原へと進みました。

    プロテクター装着。

    我々が視察しているまさにその時,旧ソ連や中国で生産されている地雷PMNが発見されたという報告が入りました。我々にも緊張が走りました。

    CSHDのスタッフの皆さん。緊張感が伝わってきます。

    今回はこの発見されたPMNの爆破処理を見させてもらうことになりました(もちろん遠くから)。遠くからでもその威力,恐ろしさはとてもよく伝わりましたし,踏んだが最後,一瞬にして足が吹き飛ぶということがよくわかりました。ツアーメンバーの皆さんもとても驚かれた様子でした。地雷原で生活する人たちが,いつどこで爆発するかわからないようなところで生活していること,そして,ほかに選択の余地がなくあえてその危険な場所に住み続けているという現実に心が痛むばかりです。このようなものは一刻も早くこの世から消し去ってしまうべきだとあらためて痛感しました。
    地雷原視察後,バンテアイミエンチェイ州を後にし,再びシェムリアップのタ・プロムホテルに戻りました。そして夕方,今度はだるま愛育園という孤児院を訪問しました。実はアキラ氏もこのだるま愛育園を巣立った一人だったのです。ここで,子どもたちのアプサラダンスショーなどを鑑賞しながら夕食をいただきました。その後,子供たちとダンスや歌などを一緒に楽しみました。子どもたちとの交流で癒された後,ホテルへ戻りました。

    テーブルの前におられるのがだるま愛育園のソリカさん。ここにいる46人の子供たちの面倒を見ているお母さんです。

    子どもたちのアプサラダンスショーを鑑賞しながらの夕食。なかなかの完成度です。

    最後はツアーメンバーも檀上に上がり,みんなで大はしゃぎ。

    7月11日(木)
    この日はシェムリアップでの最終日。ツアーメンバーの皆さんはアンコールワット観光に行かれました。途中,ヘリコプターでアンコールワットの上空をまわるというプランも入れるなど,とても優雅な観光を楽しまれました。
    さてこの日の昼食では,8日にお会いできなかった鬼一二三さんが駆けつけてくださいました。鬼一二三さんの生徒で,日本語スピーチコンテストで優勝したというワンナー君も同席してくれました。途中,ワンナー君がスピーチコンテストでのスピーチを再現してくれるなど,とても楽しい昼食会となりました

    8日にお会いできなかった鬼一二三さん。私たちに会うために,昼食会場に駆けつけてくださいました。

    スピーチコンテストで優勝した鬼先生の愛弟子ワンナー君。日本からボランティアで訪れる女子大生が好きだとぶっちゃけてました。

     夕方,守勢塾の皆さんは,シェムリアップ空港から飛行機でプノンペンへ発たれました。プノンペンでは,12日(金)と13日(土)の2日間,経済ツアーとして商業銀行や経済特区の工場など,経済発展著しいプノンペン市内を視察されました。そして13日の深夜の便で,日本へ帰国されました。
    このツアーで,カンボジアのさまざまな面をご覧いただけたかと思います。これを機に,カンボジアをより身近に感じていただき,また遊びに来ていただけたらとてもうれしいです。
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    文責: 現地駐在員 曽田実

     

    2013年7月16日更新

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