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    第18次CMCカンボジアスタディツアー

    3月1日(土)

    2月15日(土)より第18次CMCカンボジアスタディツアーが催行されました。今回は10名がご参加くださいました(うち2名は途中参加)。

    15日(土)

    深夜,CMC大谷理事長とともに8名の参加者の皆さんがプノンペン国際空港に到着されました。日本での大雪の影響で,もしかしたら来られない方も出てくるのではという心配もありましたが,何とか全員無事にツアーに参加することができました。

    16日(日)

    午前中にトゥールスレン博物館へ,昼食後プノンペンの中心街にあるソリア・ショッピングセンターへ行き,その後キリングフィールドへ行きました。トゥールスレン博物館とキリングフィールドはポル・ポト政権時代の大量虐殺の主要舞台であり,その凄惨な様子を残す場所です。一方ソリア・ショッピングセンターは目覚ましい経済成長を遂げ,急速に変化するプノンペンを象徴するような近代的なショッピングセンターです。この日私たちは暗い過去と,活気あふれる現在を対比しながら各地を見てまわりました。

    17日(月)

    朝一番,先ずは現在建設中のイオンを訪問しました。日本でおなじみのイオンがカンボジアにも進出するのを見ると,日本とカンボジアが援助・被援助という関係だけではなく,経済活動や文化交流を通してどんどんと身近な存在になってきているんだなということを実感します。

    AEONの模型を前にCMC理事長大谷が説明をしています。

    AEONの模型を前にCMC理事長大谷が説明をしています。

    AEON建設現場

    AEON建設現場

    次に,CMAC(Cambodia Mines Action Center,政府機関でありカンボジア最大の地雷・不発弾撤去組織)の本部を訪問しました。ここでは,CMACの活動概要やカンボジアにおける地雷・不発弾の撤去状況などの説明を受けた後,CMC理事長大谷が昨年行われたCMC15周年記念式典の冊子をCMACに贈呈し,これまで築いてきたCMACとCMCの協力関係を改めて確認しました。

    CMAC本部にて記念撮影

    CMAC本部にて記念撮影

    午後はプノンペンから国道5号線沿い,コンポンチュナン州にあるCMAC地雷犬訓練所を訪問しました。地雷犬とは地雷を探知する犬のことです。地雷探知は通常金属探知機を使いますが,金属片が多く散らばっているような地雷原などでは探知機が無駄に反応してしまい,その度に作業の手を止め確認しなければならず非常に非効率的です。そのような場所では,火薬のにおいを嗅ぎ分けることができる地雷犬(地雷探知犬)が金属探知機にとって代わって活躍します。犬を訓練していく上で,犬と人間が信頼関係を築いていくことがとても重要だと訓練所所長のペニュ・サバートさんはおっしゃっておられました。訓練中はもちろん,宿舎での寝泊りの際も犬は主人の傍らにおり,まさに寝食をともにして過ごして互いの信頼関係を築いています。殺伐とした地雷原において,常に危険と隣り合わせの地雷撤去作業が今も行われてはいますが,そこには厚い信頼関係のもと,心の通った仕事がなされているんだなと思うと何だかとても感動します。

    地雷犬の訓練の様子。

    地雷犬の訓練の様子。

    午後4時地雷犬訓練所を後にし,コンポンチュナン州からさらに国道5号線を北上し,夜7時半バッタンバン州に到着しました。バッタンバンにはこの日から4泊滞在しました。

    18日(火)

    午前,MAG(Mines Advisory Group,地雷・不発弾撤去を行う国際NGO,イギリスに本部を置く)が地雷撤去を行っている地雷原(パイリン州)を視察しました。まずは地雷原についての情報や地雷撤去の方法など,実演も交えてとても丁寧に説明してもらい,その後,実際に地雷原に入り,地雷探知から爆破処理までを見学しました。爆破処理の際は,ツアー参加者の中から中学生の十文字壱圭君が代表で爆破処理スイッチを押しました。見た目は小さな地雷ですがその爆破の威力はすさまじく,スイッチを押した壱圭君も相当驚いた様子でした。

    MAGによる地雷撤去作業のデモンストレーション

    MAGによる地雷撤去作業のデモンストレーション

    地雷原。今立っている場所のすぐわきで地雷が発見されました。

    地雷原。今立っている場所のすぐわきで地雷が発見されました。

    午後,バッタンバン市内にある軍病院を訪問しました。カンボジアでは地雷問題とともにエイズ問題も社会に深刻な影響を与えてきました。現在もその問題が消えたわけではありませんが,地雷問題と同様,医療体制の整備や啓発活動のおかげで状況は年々改善されてきています。ここでは,この軍病院をはじめ,周辺の病院やバッタンバン州全体,カンボジア国全体における苦難の時期から現在に至るまでの状況を詳しく説明してもらいました。エイズ問題をはじめ,さまざまな医療問題を良くしていきたいという病院関係者の皆さんの思い,そしてその努力が着実に実ってきていることがとてもよく伝わってきました。

    軍病院の副院長さんから,エイズ問題を中心に,カンボジアの医療問題についての説明を聞きました。

    軍病院の副院長さんから,エイズ問題を中心に,カンボジアの医療問題についての説明を聞きました。

    19日(水)

    午前,ボップイ安部小学校へ行きました。ここでは,前日の夜から途中参加された2名の歯科医さんによる歯科検診が児童たちに対して行われました。歯科医さんに加え他の参加者さんも助手(記録係)をしたり子どもたちを整列させてくれたりと,協力してくださったおかげで何とか無事終えることができました。歯科医さんたちは検診結果を見ながら「日本と比べて虫歯の子の割合が多い」とおっしゃっておられました。村の衛生環境の整備や村人の意識の改善も今後の課題といえるでしょう。

    ボップイ小学校での歯科検診の様子。

    ボップイ小学校での歯科検診の様子。

    午後はまずCMC事務所に行き,CMC事務所の業務,特に障害者の就職支援事業として行っているパソコン業務の様子を見てもらいました。私の留守中(スタディ・ツアーのため)スタッフが事務所をきちんと掃除してくれていたので,安心して参加者の皆さんを事務所に案内することができました。とはいえ,参加者の一人から「テーブルに埃がかぶっている」との指摘も受けました。今後はより細かいところにも気を配れるよう指導していければと思います。

    CMC事務所にて記念撮影。

    CMC事務所にて記念撮影。

    夕方,バッタンバン市内から西へ10数㎞行ったところにあるワット・プノム・ソムパウという小高い山の上に建てられた寺院に行きました。山頂からはバッタンバンの広大な田園風景が一望でき,山の奥には鍾乳洞があるとても神秘的な場所ですが,何せ急な階段を上らなくてはならず,気が付けばどんどんと脱落者が出てきて,最終的にはおよそ半分の人数にまで減っていました。ここにも「キリングケイブ」と呼ばれるポル・ポト政権時代大量虐殺が行われた場所(洞窟)があり,体力の残っている者だけで行ってきました。

    20日(木)

    この日は午前にコーントライ夢中学校,午後にトゥールポンローみおつくし中学校に行きました。いずれも歯科医さん2人による生徒たちへの歯磨き指導が行われました。中学生たちもその重要性は理解しているようで,熱心に講義に耳を傾けていました。

    歯科医さんによる歯磨き指導。

    歯科医さんによる歯磨き指導。

    今回の中学校訪問(コーントライ中及びトゥールポンロー中いずれにおいても)で一番の盛り上がりを見せたのが,同じ中学生の十文字壱圭君による剣道の実演でした。壱圭君は自身の通う中学校の剣道部で主将を務めており,今回の交流において日本の武道である「剣道」をカンボジアの同世代の子どもたちに紹介するため,竹刀や胴着をわざわざ日本から準備してくれていました。最初は剣道がどんなものかを知ってもらうために日本での試合の様子を写したビデオを上映し,壱圭君自身が素振りを披露しました。その後,私やツアー参加者の武田さんが教室の外で壱圭君と立会いを始めると,あっという間に生徒たちが集まり周りを取り囲みました。そして,生徒の中からも挑戦者が現れると周りの生徒たちも最高潮に盛り上がり,壱圭君と挑戦者の立会いに熱い視線を送っていました。数名の挑戦者との立会いを終えると,壱圭君はすっかり人気者になっていました。短い時間でしたが,実に刺激的で楽しい文化交流となりました。

    トゥールポンロー中学校にて生徒の挑戦を受けて立つ壱圭君

    トゥールポンロー中学校にて生徒の挑戦を受けて立つ壱圭君

    21日(金)

    午前,バッタンバン州バベル郡にてCSHD(Cambodia Self Help Demining,アキラ氏が隊長として率いる地雷撤去団体)が地雷撤去活動を行う地雷原を見学しました。隊長のアキラさんが不在だったため,副隊長のソムボーさんの案内のもと,地雷撤去作業から爆破処理までを見学しました。

    地雷原視察を終え,午後はシェムリアップに移動しました。午後3時半過ぎ,シェムリアップについてすぐ市内のフィジカル・リハビリテーション・センターを訪問しました。職員から施設についての説明を受けたあと,患者のリハビリの様子を見学させてもらいました。そこで,2011年にプレアヴィヒアでおきたタイとの戦闘により負傷した患者さんと出会い,お話を聞きました。彼の名前はソーン・トリーさん,年齢は26歳。当時兵隊としてその場にいて,タイが放ったクラスター爆弾により右足を失ったそうです。トゥリーさんには負傷後に出会ったという恋人(チョーン・ターさん)がいて,その恋人がちょうどそのとき付き添いとして施設に来ていました。現在CMCではラジオ番組「Voice of Heart」をシェムリアップにて放送中ですが,ちょうど1回分の放送の出演者を探していたところで,この2人に出演をお願いしたところその場で快諾してくれました。ただ後日連絡を受け,彼女のほうが都合が悪くなり出演できないとのことで,結局出演はトゥリーさん一人となりました。次回の現地報告でこの放送時の様子をご報告いたします。

    トリ―さん(左)とターさん(右)

    トリ―さん(左)とターさん(右)

    続いて,鬼一二三日本語学校を訪問しました。この日鬼先生はご不在で,代わりに昨年カンボジア国内の日本語スピーチコンテストで優勝したニアック・ワンナー君(通称オリオン君)が代理講師として授業する様子を見学させてもらいました。ワンナー君は授業の終わりに昨年コンテストで優勝したときのスピーチも披露してくれました。彼は今年の4月に那覇の日本語学校へ特待生として招聘される予定だそうです。これを機に彼には更なる飛躍を遂げてもらいたいものです。

    代理講師ワンナー君の授業。

    代理講師ワンナー君の授業。

    22日(土)

    朝,まずは戦場カメラマン一之瀬泰造のお墓を訪れました。シェムリアップの地で若くして命を落とした一之瀬泰造氏の生き様に思いを馳せたあと,今度はその足でアキラ地雷博物館に行きました。ここではアキラの功績や活動を紹介した展示物などを見て回り,さらにはカンボジアにおける地雷・不発弾問題など学びました。

    午後は「Little Angels」という子どもたちが民芸品である影絵を創作している孤児院を訪問しました。ここでは,創作の様子を見学できるだけでなく,子どもたちと一緒に創作活動をさせてもらうこともできます。この工房には子どもたちが作ったたくさんの作品が販売されており,その収益がこの孤児院の運営費となり,また自分の作品が売れることで子どもにとっての励みともなります。参加者の皆さんもそれぞれ気に入った作品を購入し,その作品を作った子どもたちと記念撮影をして帰られました。

    参加者の皆さんも子どもたちとの創作活動を体験できました。

    参加者の皆さんも子どもたちとの創作活動を体験できました。

    23日(日)

    最終日となるこの日は終日アンコールワット遺跡群を観光しました。そして夜,皆さん心地よい疲れと余韻を残し,帰国の途に就かれました。

    今回のスタディ・ツアーではプノンペンから始まり,コンポンチュナン,バッタンバンを経由してシェムリアップにいたるまで実にさまざまな場所を訪れ,地雷問題を中心に,首都プノンペンの発展の様子,開発の遅れた田舎の状況,医療問題などなどカンボジアにおけるさまざまな側面を見てまわり,そしてさまざまな人たちと交流できました。これを機に,参加者された皆さんがカンボジアに親しみを持ち,またカンボジアに遊びに来てもらえたらとてもうれしく思います。

     文責:曽田実

    2014年3月3日更新

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