活動予定

カンボジア国民議会総選挙

7月28日(日)

街宣車

日本では先日,参議院選挙が行われたばかりですが,ここカンボジアでも,5年に1度の国民議会議員選挙が7月28日に行われました。

この1カ月間(公式には6月27日から7月26日まで)
カンボジア全土で選挙運動が繰り広げられました。
圧倒的な組織力を誇る与党「人民党」が絶対的に有利といわれる中,最大野党の「救国党」がどこまで対抗できるか
という選挙前の構図。さて,どのような結果になるか・・・

MRE事業においてもこの選挙運動の影響を少なからず受けています。連絡を取りたい村長や学校長となかなか連絡が取れない。
彼らの多くが選挙運動に参加していて,忙しいとのこと。
(全く連絡が取れないわけではなく,何回か電話をかけなおせば連絡は取れますが・・・)
「選挙が終わればみんな暇になるから,連絡も取りやすくなるよ」とスタッフたちが言っていたので,ここからは順調に進むでしょう。

そんなCMCの若いカンボジアスタッフたちもどこを支持しているとは言いませんが(こちらもあえて聞きませんが),カンボジアをもっとよくしたいと言っています。

カンボジアの選挙運動はまるでお祭り騒ぎです。道路に特設ステージを設けて歌い踊ったり,民衆が参加して車やバイクで街を宣伝して走ったり,等々。若者たちはこの街宣運動を楽しんでやっているようにも見えます。

バイクでの街宣運動。なんか楽しそう。陽気な暴走族といったところか。

大音響で街宣。見た目はなんか滑稽。

道の真ん中にステージを設置。

歌や踊りで盛り上がる。

退屈な日常の中にあって,刺激的なひと時なのでしょうか。どこまで考えて行動してるかはちょっと疑問。また,役所の人たちなども運動に駆り出されるという話ですが,何らかの圧力がかかっているのかな?なんて勘ぐってしまいます。まあ,あまり余計な詮索はしないでおきます。

選挙当日。どうやら各地の小学校が投票所になっているようで,朝からぞろぞろと小学校へ投票に行く様子が見られました。どこまで民主的に行われているかは分かりませんが,カンボジアは投票率がかなり高いです。基本的に皆,投票はするものという認識のようです。

さて,投票所にて投票を終えた後,手続きの一環として,右手人差し指の先に黒いインクを付けられます。このインク,1週間は落ちないらしい。これは2重投票の不正を防ぐためのものですが,逆に,投票に行ったかどうかもこれでわかってしまいます。

選挙後の近所のおじさんの指。

投票率が高いのは,きれいな指を見られて,「あれ?投票に行ってこなかったの?」なんて白い目で見られたくない心理もはたらくのでしょうか? (カンボジア人もかなり世間体を気にする人たちです)
これも私の勝手な憶測です・・・

出会う人々の指(右手人差し指)にどうしても目がいってしまう今日この頃・・・。

食堂のおばちゃん。えっ,その手で食べ物を扱うの!?インクがにじんでるし・・・

 文責:現地駐在員 曽田実

 

 

2013年7月30日更新

地雷危険回避教育プロジェクト③******~うまくいかない時もある~

Report |15 Jul, 2013

前回,7月9日(火)にMREトレーナーたちはラタナックモンドル郡へ行きましたが(現地報告参照),今回はその隣のコックロロ―郡へ行ってきました。朝7時,バッタンバン事務所を出発し,約1時間半かけてコックロロー郡の中心地(コックロローコミューン)へ行きました。

朝7:00事務所を出発

そこで,CMACコックロロー支部のソックチャン・ワンナーさんと会って,MRE(地雷危険回避教育)が必要な場所を確認しました。その後,郡の役所と教育局のそれぞれで申請書を受理してもらい,郡内の学校の情報なども提供してもらいました。

ソックチャン・ワンナーさんから情報収集

郡の役所で話し合い

教育局にて活動申請及び情報収集

午前中は順調に事が進み,お昼ご飯を食べた後,学校を2,3ピックアップしていくことになりました。トレーナーたちは要領を得てきているようで,彼らがすべて主体的に動いていて,何ともたのもしいと思いながら見ていました。(このときは・・・) 

午後,コックロローの中心地から地雷被害の危険性が高いといわれる村の学校(プレイサン小学校)へ向かいました。

プレイサン小学校へはここを右折。ちなみに,CMCが支援しているボップイ小学校へはここを直進

道中は困難を極めました。でこぼこの悪路をひたすらバイクで突き進みました。前日の雨の影響で,ところどころ大きな水たまりができていましたし,タイヤが埋もれるほど砂のたまった場所もありました。

悪路

それらを避けるためにちょっと道路のわきにそれたりもしましたが,これが実はけっこう怖い。MREを実施するということは,そこは地雷が存在するか,もしくは存在するかもしれない場所であり,そんな風に思うとますます地雷がありそうな雰囲気が漂います。

地雷さえなければ,いい雰囲気なんだけど・・・

道路内であれば安全ですが,道路から少しでも外れると,そこには地雷があるかもしれない。地雷の恐ろしさは先日のスタディ・ツアーで体験しましたが,地雷があるかもしれないところにいるということの恐ろしさを改めて感じました。 

異様な雰囲気を感じながら(少々ビビりながら),コックロローの中心地から約2時間かけてようやく一つ目の学校にたどり着きました。しかし,だれもいない。

プレイ・サン小学校に到着。しかし,誰もいない・・・。何しに来たんだか。

どうやら田舎の学校はこの時期,田植えの時期とも重なり,早めに長期休みに入ってしまうらしい。「校長先生に事前に連絡してなかったのか?」とトレーナーに尋ねたところ,「してない」とのこと。トレーナーは連絡を忘れていたというよりは,行けば会えるだろうという想定だったらしい。そして,会えなかったけど,「まあしょうがない」と,何とも楽観的。
うかつでした。てっきりそのぐらいしているものと思っていた私のミスです。さて,気を取り直して次の学校へと思ったのですが,思いのほか時間がたってしまった上に,空模様が怪しくなってきたことから,急いで帰ることにしました。結局,途中でどしゃ降りに遭ってしまいましたが・・・。何とも疲れる1日でした。

まだこれからもこの活動は続くので,今後はトレーナーたちに対してもきめ細かく配慮していこうと思います。

途中の民家にいた子どもたち。このMRE事業はまさにこの子たちが対象となる。

 文責:現地駐在員 曽田実

 

2013年7月23日更新

カンボジア現地視察ツアー レポート

7月7日(日)から13日(土)までの7日間にわたって,カンボジア現地視察ツアーを催行しました。お越しいただいたのは,守勢塾の皆様総勢11名。以下,ツアーの様子について報告いたします。

7月7日(日)

ツアーメンバーの皆さんがシェムリアップ空港に到着したのは,夜の10時半。そこからバスに乗って15分でこの日の宿であるタ・プロームホテルに着きました。みなさんお腹が空いているとのことでしたので,チェックインした後,腹ごしらえに街へ出ました。お腹を満たし気分も満たされたところで,翌日に備えてその日は就寝しました。

7月8日(月)
この日は,午前中アキラ地雷博物館を見学し,午後に義足リハビリセンターと鬼一二三日本語教室を訪問しました

地雷博物館にてビデオ上映

朝9時バスでホテルを出発し,約50分かけてアキラ地雷博物館に行きました。博物館に入ってまず,過去に日本で放送されたアキラ氏の地雷撤去に関するテレビ番組のビデオを見ました。その後約1時間,アキラ地雷博物館のガイド・川広さんに館内を案内してもらいました。1時間という短い時間でしたが,川広さんの軽快な語り口でカンボジアの地雷問題やその歴史的背景など,非常に濃密な内容を勉強させてもらいました。

(写真左)川広さんによる説明。(右)右側にある物体は不発弾。

昼食をとった後,義足リハビリセンターを訪問しました。ここは,地雷被害や交通事故などに遭い,手や足を失った方々の義足や義手をつくって提供し,なおかつリハビリ訓練を行う場所です。この施設のマネージャーであるケオ・ラタさんに施設を案内してもらいました。ここでも,地雷博物館の川広さん同様,非常に親切丁寧に,そして熱心に説明してくださいました。

義足リハビリセンター。白いシャツの方がケオ・ラタさん。

義足づくりの様子。

次に,鬼一二三さんの日本語教室を訪問しました。残念ながらこの日鬼さんは不在でしたが,代わりに,ボランティアの浦田さんの音楽の授業を見学させてもらいました。実はこの2日後(7月10日)が鬼さんの誕生日ということで,鬼さんに内緒で誕生祝を生徒たちと浦田さんが計画していました。「ハッピー・バースディ・トゥ・ユー」「上を向いて歩こう」「鬼のパンツ」の3曲を歌うことになり,その練習をしました(もちろん日本語で)。生徒たちは振り付けもしながらとても楽しそうに歌っていました。この教室ではほかにも,生徒の書いた習字や川柳などが掲示されていました。なかなか味わい深くて面白いものばかりでした。

国際日本文化学園(鬼一二三日本語教室)

前でエレクトーンを引いているのが浦田さん。後ろの壁には習字が展示されています。

7月9日(火)
この日は,シェムリアップ州の隣,バンテアイミエンチェイ州のタイ国境近くにある2つの中学校を訪問しました。朝7時過ぎにホテルを出発し,約2時間半かけてまずはCMCコーントライ夢中学校を訪問しました。学校に着くと生徒たちが出迎えてくれました。対面式では,ツアーメンバーの方が用意してくださったハンカチが生徒一人ひとりに手渡されました。生徒たちは皆ハンカチを手にして嬉しそうな様子でした。その後,校庭でサッカーをしたり,急きょ教室を借りて日本語教室を開いたりと,皆さんと生徒たちが交流を楽しみました。

CMCコーントライ夢中学校での対面式。

ツアーメンバ-吉野さんによる日本語教室。

約2時間コーントライ中学校の生徒と交流した後,今度はもう一つの中学校,CMCトゥールポンローみおつくし中学校を訪問しました。ここでも同様に生徒が出迎えてくれ,対面式にてハンカチをプレゼントしました。昼食はここの教室で,生徒のお母さんの手作り料理をごちそうになりました。レストランの料理もいいですが,カンボジアの家庭料理もなかなかいけます。昼食後は生徒たちと交流を楽しみました。この日は,バンテアイミエンチェイ州の州都シソポンにあるプリア・チャン・ホテルに泊まりました。

CMCトゥールポンローみおつくし中学校。生徒が校門で整列して出迎えてくれました。

教室を借りて昼食。カンボジアの本場家庭料理。

7月10日(水)
この日は,アキラ氏が運営するCSHD(=Cambodia Self Help Demining)の地雷撤去現場を視察しました。現場はバンテアイミエンチェイ州のタイ国境近くで,前日のトゥールポンローのにほど近い場所でした。博物館で資料を見たり説明を聞いたりしてきましたが,ここはまさに最前線の現場です。この日アキラ氏は不在のため,副隊長のリエン・ソムボーさんから現場の状況を説明してもらいました。

CSHDの制服を着ておられるのが副隊長のリエン・ソムボーさん。

その後,ややぬかるんだ歩きにくい道を20分程度歩き,待避所に到着。ここで,プロテクタ-とヘルメットを装着し,地雷原へと進みました。

プロテクター装着。

我々が視察しているまさにその時,旧ソ連や中国で生産されている地雷PMNが発見されたという報告が入りました。我々にも緊張が走りました。

CSHDのスタッフの皆さん。緊張感が伝わってきます。

今回はこの発見されたPMNの爆破処理を見させてもらうことになりました(もちろん遠くから)。遠くからでもその威力,恐ろしさはとてもよく伝わりましたし,踏んだが最後,一瞬にして足が吹き飛ぶということがよくわかりました。ツアーメンバーの皆さんもとても驚かれた様子でした。地雷原で生活する人たちが,いつどこで爆発するかわからないようなところで生活していること,そして,ほかに選択の余地がなくあえてその危険な場所に住み続けているという現実に心が痛むばかりです。このようなものは一刻も早くこの世から消し去ってしまうべきだとあらためて痛感しました。
地雷原視察後,バンテアイミエンチェイ州を後にし,再びシェムリアップのタ・プロムホテルに戻りました。そして夕方,今度はだるま愛育園という孤児院を訪問しました。実はアキラ氏もこのだるま愛育園を巣立った一人だったのです。ここで,子どもたちのアプサラダンスショーなどを鑑賞しながら夕食をいただきました。その後,子供たちとダンスや歌などを一緒に楽しみました。子どもたちとの交流で癒された後,ホテルへ戻りました。

テーブルの前におられるのがだるま愛育園のソリカさん。ここにいる46人の子供たちの面倒を見ているお母さんです。

子どもたちのアプサラダンスショーを鑑賞しながらの夕食。なかなかの完成度です。

最後はツアーメンバーも檀上に上がり,みんなで大はしゃぎ。

7月11日(木)
この日はシェムリアップでの最終日。ツアーメンバーの皆さんはアンコールワット観光に行かれました。途中,ヘリコプターでアンコールワットの上空をまわるというプランも入れるなど,とても優雅な観光を楽しまれました。
さてこの日の昼食では,8日にお会いできなかった鬼一二三さんが駆けつけてくださいました。鬼一二三さんの生徒で,日本語スピーチコンテストで優勝したというワンナー君も同席してくれました。途中,ワンナー君がスピーチコンテストでのスピーチを再現してくれるなど,とても楽しい昼食会となりました

8日にお会いできなかった鬼一二三さん。私たちに会うために,昼食会場に駆けつけてくださいました。

スピーチコンテストで優勝した鬼先生の愛弟子ワンナー君。日本からボランティアで訪れる女子大生が好きだとぶっちゃけてました。

 夕方,守勢塾の皆さんは,シェムリアップ空港から飛行機でプノンペンへ発たれました。プノンペンでは,12日(金)と13日(土)の2日間,経済ツアーとして商業銀行や経済特区の工場など,経済発展著しいプノンペン市内を視察されました。そして13日の深夜の便で,日本へ帰国されました。
このツアーで,カンボジアのさまざまな面をご覧いただけたかと思います。これを機に,カンボジアをより身近に感じていただき,また遊びに来ていただけたらとてもうれしいです。
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文責: 現地駐在員 曽田実

 

2013年7月16日更新

地雷危険回避教育プロジェクト②******~MREトレーナー初現場訪問!~

Report |7 Jul, 2013

MRE(地雷危険回避教育)を実施する際に最も大変なのは、事業を行う土地(州、郡、コミューン、村)への事業申請。カンボジアは何事にも政府を通さないと物事がスムーズに進まないのと、申請用紙の書式や書き方にも細かい決まりがあるので1回でクリアするのがとても難しいのです。実際にこの書式が全国で通用すると言われても別の機関に提出して違うと言われることも度々あるので、何が正しいのかが分からなくなることもよくあります…。

ラタナックモンドル郡兼スダウコミューンオフィスにて。申請用紙を要求され、受理されるまで約2時間もかかった。

今回MREを実施する地区は、バッタンバン州はラタナックモンドル郡、サムロー郡、コックロロー郡。パイリン州はサラクラウ郡、バンテアイ・ミェンチャイ州はマライ郡となります。まずはラタナックモンドル郡にあるスダウ、トラエン、リクスメイ・サンハという3つの地雷被害の危険性が高いコミューンにある村々からMREを開始していきます。

トラエンコミューン、ソバトピアップ村(=safety village) では現在あるゆるところで地雷撤去が行われている。

今回訪問したトラエンコミューン内にある小学校3校はいずれもJMAS(Japan Mine Action Service)とCMACが地雷撤去後に建設した学校でした。名前も地雷除去機のコマツ建機からきています。

 

2013年7月10日更新

地雷危険回避教育プロジェクト①******~MREトレーナー決定!~

Report |1 Jul, 2013

地雷・不発弾被害が多い国において、撤去と共に重要視されているのが、被害を未然に防ぐために注意を喚起する地雷・不発弾回避教育。
カンボジアではCMAC(カンボジア政府直轄の地雷撤去団体)をはじめとした地雷・不発弾撤去団体による危険回避教育(MRE)が村のコミュニティレベルで行われています。

CMACのMREスタッフによる危険回避教育。子供たちに地雷・不発弾の危険性を訴える

カンボジアでは、未だに子供たちが地雷・不発弾と認識せずに遊んでいて被害に遭うケースが少なくありません。こうした現状を受け、CMCでも地雷・不発弾危険エリアでMRE(危険回避教育)を独自に行うプロジェクトを実施する運びとなりました。
今井記念海外協力基金の助成を受け、今年の4月より地雷危険回避教育(MRE)トレーナーの募集を開始。19名という多数の応募があり、その中から見事こちらの3人がMREトレーナーとして採用されました。

19人の応募の中から、MREトレーナーに採用された3人

Ravuth 22歳 子どもたちに英語を教えていたということもあり、子どもの扱いになれている様子。チームのまとめ役として期待できる子

Sokha 19歳 子どもたちに祝日だけ英語を教えていた経験がある。職務経験は少ないが、CMACのMRE指導者が期待する子

Dara 24歳 MREトレーナーと駐在員のアシスタントとして採用。過去にNGOにて農村地区で活動してきた経験もあり。現場で培った能力をぜひ発揮してもらいたい。

彼らは7月と8月の2か月間CMAC指導のもとMREに関する知識を身につけるとともに、農村各地の学校にて模擬演習を行い人前で教えることに慣れるトレーニングを行います。
9月~12月は地雷被害の多いバッタンバン、パイリン、バンテアイ・ミェンチャイ州において本格的にMREの指導を行う予定です。

 

 

2013年7月2日更新

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CMCからのお知らせ