過去の活動
昨年度,当団体で実施した地雷危険回避教育について,
・名称
地雷原エリアの小学校・中学校における,地雷・
・事業の目的
1)地雷・不発弾の危険性を啓蒙し,
2)地雷・
・対象地
バッタンバン州,パイリン特別市,バンテアイミエンチェイ州
・事業の結果
<5月>
本事業実施に当たり,カンボジア政府直轄の地雷撤去機関であるC
<6月>
CMC事務所にてCMAC担当者による「地雷・不発弾」や「MR
・バッタンバン州ラタナックモンドル郡
・バッタンバン州コックロロー郡
・バッタンバン州ソムロート郡
・パイリン特別市パイリン郡
・パイリン特別市サラークラウ郡
・バンテアイミエンチェイ州オーチュラウ郡
・バンテアイミエンチェイ州マライ郡
<7月>
MRE実施の対象となる州教育局,郡教育事務所,
<8月~9月>
学校へ通っていない子どもたちを対象としたMRE活動を実施。
・バッタンバン州ラタナックモンドル郡;5村170人
・バッタンバン州コックロロ-郡;4村97人
・バッタンバン州ソムロート郡;4村61人
・パイリン特別市パイリン郡;10村198人
・パイリン特別市州サラークラウ郡;5村136人
<10月>
活動地区の学校調査,実施学校の選定
<11月~1月>
小・中学校にてMRE活動を実施。実施した各地区の学校数及び児
・バッタンバン州ラタナックモンドル郡;小学校4校200人,中
・バッタンバン州コックロロ-郡;小学校4校183人,中学校1
・バッタンバン州ソムロート郡;小学校2校107人,中学校1校
・パイリン特別市パイリン郡;小学校4校340人,中学校2校1
・パイリン特別市州サラークラウ郡;小学校4校480人,中学校
・バンテアイミエンチェイ州オーチュラウ郡;小学校4校196人
・バンテアイミエンチェイ州マライ郡;小学校5校473人,中学
<12月~2月>
人権教育用冊子500冊作成およびモニタリング調査。
小学生用試験は以下の2問。
第1問(左側);
第2問(右側);地雷に遭遇した時の対処を絵の中から選ぶ問題(
■小学校27校で実施したMRE及びモニタリングの学年毎の結果
小学校 | 1年 | 2年 | 3年 | 4年 | 5年 | 6年 | 合計 |
MRE受講数 | 243 | 261 | 313 | 425 | 416 | 321 | 1979 |
モニタリング受講数 | 183 | 185 | 267 | 418 | 431 | 278 | 1762 |
問題1の正答率(%) | 97.8 | 95.4 | 96.1 | 96.2 | 94.6 | 97.1 | 97.0 |
問題2の正答率(%) | 93.9 | 76.3 | 93.6 | 87.3 | 85.7 | 93.8 | 89.3 |
2問とも基本的な知識を問うものであり,全員が正解すべき問題である。結果を見る限り概ね出来ているものと見なせる。第2問はやや正解率が下がっているが,地雷に遭遇した時の対処として,「周辺の草取りをする」「周辺の掃除をする」「目印になる木を植える」「ゴミ箱に捨てる」などの選択肢を選んだ児童がある程度いたことによる。「歌う」「踊る」「絵を描く」を選んだものもいたがそれらはそもそも問題を理解していないと考えられる。
中学生用試験は以下の5問。
第1問(左中);地雷・不発弾に遭遇した時の対処を問うもの(
第2問(左下);カンボジアに存在する地雷の種類数を問うもの(
第3問(右上);
第4問(右中);
第5問(右下);今回MREを受講した感想。
■中学校8校で実施したMRE及びモニタリングの学年毎の結果(第1問と第5問は省略。)
中学校 | 1年 | 2年 | 3年 | 合計 |
MRE受講数 | 384 | 310 | 198 | 892 |
モニタリング受講数 | 375 | 276 | 195 | 846 |
質問2正答率(%) | 90.7 | 84.4 | 89.7 | 88.4 |
質問3正答率(%) | 62.9 | 80.4 | 82.1 | 73.0 |
質問4-1正答率(%) | 98.4 | 98.9 | 97.9 | 98.7 |
質問4-2正答率(%) | 98.9 | 98.6 | 97.9 | 98.6 |
質問4-3正答率(%) | 98.9 | 98.2 | 97.4 | 98.3 |
中学生へはやや踏み込んだ問題を用意したが,
・事業結果についての評価(所感、および反省点など)
子どもたちに地雷・不発弾の危険性を啓蒙するという目的のもと,対象地区において小学校27校,中学校8校で延べ2800人以上(8~9月の学校へ行っていない子どもを対象としたMREを含めれば延べ3000人以上)の子どもに対して無事にMREを実施できました。また村長や学校の校長,クラス担当の先生など子どもを指導する立場の人にも活動を理解してもらい,協力してもらえたことは,今回のMRE事業が一過性のものに終わらないようにするためにも良かったといえます。ただしクラス担当の先生が皆立ち会ってくれたわけではなく,そこは反省点となります。
またアンケート調査から子どもを取り巻く環境が一部ではありますが見えたことも今後の対策に繋がります。以下にアンケート調査結果を示します。括弧内は各学年での割合(地雷もしくは不発弾を見たことがある児童・生徒数÷児童・生徒数)です。
小学校全27校 | 中学校全8校 | ||||||||
学年 | 1年 | 2年 | 3年 | 4年 | 5年 | 6年 | 7年 | 8年 | 9年 |
児童・生徒数 | 243 | 263 | 311 | 425 | 416 | 321 | 384 | 310 | 198 |
地雷を見たことがある児童・生徒数 | 31 (13%) |
59 (22%) |
119 (38%) |
184 (43%) |
219 (53%) |
176 (55%) |
213 (55%) |
211 (68%) |
102 (52%) |
不発弾を見たことがある児童・生徒数 | 46 (19%) |
68 (26%) |
94 (30%) |
165 (39%) |
211 (51%) |
135 (42%) |
195 (51%) |
187 (60%) |
96 (48%) |
この調査はMRE実施時に子どもたちにアンケート用紙を配り,
またアンケート調査を通して,情報共有や子どもたちへの意識づけ
地雷撤去機関による地雷・不発弾の撤去は着実に進んでおり,
下表はカンボジア地雷/
表.年度別地雷・不発弾被害者数
年度 | 2005 | 2006 | 2007 | 2008 | 2009 | 2010 | 2011 | 2012 | 2013 |
全国の被害者数 | 630 | 411 | 340 | 272 | 229 | 285 | 223 | 147 | 133 |
MRE対象地区の被害者数 | 204 | 95 | 76 | 109 | 40 | 73 | 47 | 52 | 36 |
MRE対象地区のこども被害者数(6~18歳) | 36 | 19 | 26 | 34 | 10 | 14 | 13 | 9 | 13 |
※今回のMRE事業に合わせて,日本の年度でまとめています。
ほとんどの子どもは家族や先生から何らかの形で地雷や不発弾の話
またこのMRE活動の中では,危険回避教育と併せて,
文責:曽田実
2014年5月27日更新