過去の活動
12月25日~12月28日にかけて地雷原視察ツアーを催行しました。今回参加したのは福岡・関西から集った総勢19名!!
以下、ツアーの様子について報告します。
飛行機の遅れもあり、ツアーメンバーがホテルに到着したのは午前0時ちょっと前。明日からのツアーに備えて早めに就寝…
12/26
この日午前中はトンレサップ湖観光、午後は鬼一二三日本語学校にて日本語を学ぶカンボジア人学生たちとの交流の後、アキラ地雷博物館にて地雷や不発弾について学びました。
シェムリアップから車で約30分程度離れたロリュオス村から大型ボートに乗って水上生活者が住む集落へ。
ここの住人は皆、高床式住居にて生活しています。現在は乾季なので水位がかなり低いですが、雨季には木の柱が見えなくなるまで水が上昇します。
生活習慣から環境まで日本と全く違った風景に感動、なかにはカルチャーショックを受けるメンバーも…
高床式住居のある集落をさらに奥へ進むとこのような風景が見えてきます。手漕ぎボートに乗って、マングローブの森をゆっくりと散歩するのは気持ちがいいです!
午後は、国際日本文化学園の一二三日本語教室を訪問しました。前列中央の女性が代表の鬼一二三さんです。学校内には生徒さんの書道や俳句などの作品が飾られており、どれも完成度の高い作品ばかりです。
異国の地にて、日本語を勉強している人々に会うととてもうれしくなります。日本に憧れを持って一生懸命勉強し、日本へ留学する生徒さんもおられるそうですが、 結果挫折して帰国する方もいるそうです。どんなに勉強ができても生活面での支援がないと日本での生活は厳しいのが現状です。日本はまだまだ留学生を支援する制度が整っていないそうなので、今後改善できるよう努めていかなければなりません。
写真の彼がアキ・ラー氏です。彼はポルポト時代に少年兵として働き、地雷を埋めるという経験をした人です。内戦が終わった今も地雷被害が多発するこの国で、自分が埋めたかもしれない地雷のせいで罪のない人が犠牲になっていることへの罪悪感から償いとして自らボランティアで地雷撤去を行っています。
カンボジアの地雷や不発弾被害は年々減少傾向にありますが、それと同時に若年層を中心に過去の歴史を知らない人、地雷被害が起こっていることすら知らない人も増えています。過去の過ちを繰り返さないためにも歴史はしっかり学んでいきたいものです。
12/27
この日は午前7時にホテルを出発し、オダーミェンチャイ州のKoun Kriel コミューン, Koun Kriel 村のアキラが活動する地雷原へ向け出発。シェムリアップから地雷原までは約3時間ちょっとだが、道はきれいに舗装されており、途中トイレ休憩をする場所がない以外は快適でした(地元の親切な方々のトイレを使わせて頂きました)
きれいに舗装された道路のちょっと脇から先は完全なる地雷原。アキラ曰く、このトラックが止まっている場所は1年前までは地雷が埋まっていたそうです。今では完全に撤去され、車も通行可能です。
バスからトラックに乗り換えて約5分程でこのような密林に到着。ここはどうやら民家の裏庭のようです。現在地雷はタイ国境沿いを中心に、密林やジャングルの中に埋められたままの状態です。
写真をお見せすることはできませんが、見つかった地雷は旧ソ連製のPMN-2型でした。実際に見るとおもちゃのようですが爆発させた時の威力はすさまじいです。地響きや爆発音といい、処理後はツアーメンバーも無言でした。
今回参加したツアーメンバーはほぼ全員が地雷原に入るのが初めてで、皆さん貴重な体験ができたと喜んでおられました。カンボジアには未だに400~600万個の地雷が埋没されていると言われていますが、地雷撤去には莫大な資金がかかります。地雷被害者を一刻も早
くなくすために今後もアキラ含む地雷撤去団体の活動を応援してい
きます!
12/28
ツアー最終日のこの日は終日カンボジアが誇る世界遺産のアンコールワット遺跡群の見学をし、昼食後に義手義足センターを訪問、夜からはだるま孤児院にて子供たちとの交流&夕食という内容でした。
最初に訪れたのは『タ・プローム』アンコール王朝の王、ジャヤバルマン7世が12世紀に母親の冥福を祈って作った寺院です。
もともとは仏教寺院ですが、後にヒンドゥー教に改宗されたと言われています。
寺院に絡みつくガジュマルの木の生命力は並大抵のものではありません!ちなみに写真左はアンジェリーナ・ジョリー主演の映画『トゥーム・レイダー』のロケ地となった場所だそうです。
もちろん観光客がいっぱいで写真を撮るのにも長蛇の列…
タ・プローム寺院観光の後はアンコールトム遺跡群へ。
ここは遺跡も多く、敷地が半端なく広いので、メインのバイヨン寺院のみを見学しました。
アンコールトムはヒンドゥー教と仏教の混合寺院です。
バイヨンとはバ(美しい)ヨン(塔)という意味だそうです。一つ一つの塔には写真のように四面に人面像が彫られています。
寺院のレリーフはチャンパーとの戦争、中国人兵の行進など当時の様子を物語っている貴重な資料です。
午後は約1時間半、シェムリアップ市内にあるハンディキャップインターナショナルの義手・義足センターを訪問しました。
元々は欧米のNGOの支援によってつくられた施設ですが、ドナーが政府に変わり収益が激減、現在では患者さんへのきめ細やかなサービスを提供することが難しくなっています。
日中は日差しも厳しく、気温も上昇してきて皆さんもだいぶお疲れのようでしたが、午後からは元気にアンコールワットを見学しました。
朝から夕方までほぼ休憩なしに動き回ったのでみなさん相当お相当お 疲れだったと思いますが、この景色を見るとやっぱり来てよかったなと改めて思いました。この後はツア ー最後の訪問先、訪問先、だるま孤児院にて子供たちと交流&夕食です。
子どもたちはお行儀良く、日本語で歓迎のあいさつをしてくれました。私たちが夕食を食べている間、子どもたちはカンボジアの伝統 的な踊りであるココナッツダンス、フィッシングダス、アプサラダン スなどを披露 してくれました。
以上の日程を終え、皆さん深夜の飛行機にて日本へ帰国されました。
今回のツアーは地雷原視察を中心に、カンボジアの素晴らしい一面 と負の場面の両方を垣間見られるツア ーになれたことを期待してい ます。2月のツア ーは国を一周し、より詳しくカンボジアについて学べる機会を提供しますので是非ご参加下さい!
2013年1月15日更新