ランドマインモニター2012 発表
世界の地雷・不発弾被害者数を調査しているICBL(地雷禁止国際キャンペーン)が毎年発行している「Landmine Monitor2012」(ランドマインモニター)が11月29日に発表された。以下、レポートの概要。
世界の地雷問題の概要(2011年~2012年)
■ 被害者数
2011年の地雷・不発弾被害者数:4,286人
地雷・不発弾被害者数(2000-2011)
©ICBL Landmine Monitor2012
- 前年度の4,191人と比べると、約2%の増加。
- 1日あたりの被害者数は、昨年とほぼ変わらず11人~12人。10年前の2002年と比べると1日当たりの被害者数は32人から約3分の1に減少
2011年 地雷・不発弾被害者数が100人以上の国
*黒字は対人地雷禁止条約(オタワ条約)未加盟国
©ICBL Landmine Monitor2012
- 毎年他のどの国より地雷・不発弾被害を出しているアフガニスタンは、昨年に続き2011年も世界一の死亡・負傷者数812人を記録した。 しかし、この数は2010年の1,211人から3分の1減少し、オタワ条約(対人地雷全面禁止条約)に加盟前1年あたり約9,000人の被害者を記録していた時より圧倒的に減少している。(アフガニスタンは2002年9月11日にオタワ条約締結)
- コロンビアは世界で3番目に多い被害者数538人を記録した。2010年とほぼ変わらないが、世界一を記録した2005年、2006年時の約1200人と比べると劇的に減少している。
- カンボジアは2011年の被害者数が211人で世界5位。昨年の286人から26%減少した。ピークは1996年に記録した4,320人(地雷被害者3,025人 不発弾被害者1,295人)
2010年~2011年 地雷・不発弾被害者数の推移(上位10か国)
©ICBL Landmine Monitor2012
- 2011年の地雷・不発弾被害者数は4,286人とされているが、データとして収集されていないものも多く、実際の被害者数はさらに多い。
- 2009年からのモニター調査に基づくと、現在発表されている被害者数より全世界で約1,000人は多いと言われている。
- 地雷撤去のスピードは加速しているが、目標と結果の差は広がっている。
被害者数統計
©ICBL Landmine Monitor2012
大人: 58%、子ども(18歳未満): 42%。
最も子供の被害が多い国がアフガニスタンで被害者数は373人。子供の被害が、国内被害全体の6割を占める。次いでリビアが76人で同じく全体の6割を占める。
©ICBL Landmine Monitor2012
©ICBL Landmine Monitor2012
- 1999年から2011年の間で地雷撤去中に負傷又は死亡した地雷撤去隊員は1000人が以上確認された。
- 2011年は撤去中に86件の事故が起きており、2010年とほぼ同じだったが、1999年からの毎年の撤去中の事故の平均件数は67件であり、それと比べると著しく増えている。
- 撤去中の事故の被害者は男性がほとんどであり、女性の事故は2011年では2件だけであった。(1人は南スーダン、1人はイラク)
- 2011年の撤去中の事故の過半数はアフガニスタンとイラクで起きている。(アフガニスタン:25件、イラク:20件、3位はタイで11件)
©ICBL Landmine Monitor2012
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地雷汚染国・地域:59か国、6地域 (2012年10月時点)
さらに地雷が埋蔵している疑いのある国が13か国ある。
地雷汚染国©ICBL Landmine Monitor2012
2012年12月27日更新