石原基金奨学生の家庭訪問
10月17日(木)
前回,バッタンバンの洪水の様子を報告しましたが,あの報告以降,しばらく雨が降らない日が続き,冠水していた水もすっかり引いてしまいました。川の水位を見ても一目瞭然。
10月5日の川の様子
10月15日の川の様子
現在,バッタンバンの街は何事もなかったかのようにすっかりともとの姿に戻りました。とりあえずひと安心です。
10月14日(月),コーントライ中学校卒業式(9月19日)の報告の際にも紹介しました石原基金の奨学生チア・ダリンに会いにコーントライ村に行ってきました。
チア・ダリン。コーントライ中学校の卒業生で,石原基金の奨学生
バイクでコーントライ村に向かう途中,かなり広い範囲で道路や周辺家屋が冠水している地域がありました。バッタンバンの街では冠水被害がすっかり消えてしまっていたのですが,一部の地域では,まだ深刻な被害が続いていたのです。
普段は牛が集団でのそのそと移動していたり,犬が道路の真ん中をうろうろしていたりと,バイクで走っていると危ないなと感じることが多々ありますが,この日ばかりはこの冠水地域では牛も犬も見かけませんでした。その代わりに,この日はたくさんの魚が道路を泳いで横切っているのを見ました。
朝から地域住民があちこちで網を持ち出し,漁をしていました。多くのご家庭でお昼ごはんに魚料理が出たのでしょうか?
子どもたちも夢中になって魚を捕まえています。
大漁!?
深刻な被害のはずなのですが,何事もないかのように自然体で過ごしてしまうカンボジア人の懐の深さには毎度関心させられます。
さて,いつもの倍以上の時間をかけ,ようやくコーントライ村にたどり着きました。中学校でダリンと待ち合わせ,そこからダリンが家まで案内してくれました。ダリンの家やその周辺もまだ冠水した状態でした。家ではご両親も出迎えてくれました。
家まで案内してもらいました。だいぶ水は引いた方ですが,それでもまだ周辺は冠水したままです。
チアダリンの家。伝統的な高床式の家です。
ダリンのご両親・・・ではなかった・・・ここで飼われている犬でした。あまりの貫禄に思わずご両親と間違え,かしこまってご挨拶をしてしまいました。
ダリンとご両親。他にお兄さんが1人,お姉さんが3人いますが,皆タイへ出稼ぎに行っていて不在。クメール正月(4月〉には戻ってくるとのことです。
ダリンは,この10月から地元のコープ高校へ通う高校1年生です。まだ少し早いですが,「どこの大学に行きたい?」と質問してみると,「バンテアイミエンチェイ大学(州内の大学)」と答えていました。将来医者になりたいというダリンですが,その前段階の大学進学という目標に向けて,高校での勉強が始まります。何はともあれ,目標に向けてしっかりと勉強すると同時に,新しい仲間と楽しい高校生活を送ってもらいたいものです。
文責:曽田実
2013年10月17日更新