パソコン技術訓練による地雷被害者・地雷原生活者収入向上プロジェクト
10月28日(月)
前回のレポートにて,『パソコン技術訓練による地雷被害者・地雷原生活者収入向上プロジェクト』の訓練生採用試験の様子をご報告いたしましたが,採用試験の結果7名の受験者の中から次の2名を採用することに決定いたしました。
1.ロン・チャンティー/23才/バッタンバン州コムリエン群出身/20才の時に農地開拓のために森林に入った際地雷事故に遭い,両足を失う。
ロン・チャンティ
2.スレーン・ハイ/25才/バッタンバン州ソムロート郡出身/12才の時に農地開拓のために森林に入った際不発弾事故に遭い,右腕を失う。※プロジェクト名には「地雷被害者」とありますが,不発弾被害者もこのプロジェクトの対象となります。
スレーン・ハイ
奇しくも,2人とも農地開拓のために森林を切り開いている最中に事故に遭ったようです。仕事(農地)を求めて森林に入った結果,若くして仕事のできない体になってしまうというのは何とも皮肉なものです。2人とも事故後は家事を少し手伝う程度で,仕事は全くしていなかった(できなかった)とのこと。このプロジェクトをきっかけに明るい未来を切り開いていってもらいたいものです。
さて,10月28日(月),「Cambodia Dairoku Inc.」にてパソコン訓練が始まりました。2人はやや緊張した面持ちで,訓練初日を迎えました。
道路の向こう側のビルの3FにCambodia Dairoku Inc.の事務所があります。
いよいよ出陣。
朝6時。廣田社長(右から2番目)から紹介していただき,Dairokuの社員と初顔合わせ。
職場風景。右側手前2人が訓練生。
いろいろな画像を使って切抜きの練習。左がチャンティ,右がハイ。
採用試験もでお世話になったタヌアン氏。ご自身の仕事の合間をぬって訓練生2人を指導していただきます。
いよいよ訓練が始まりましたが,とにかく今は練習あるのみ!このプロジェクトはこの2人にとってだけでなく,手足に障害を負ったすべての人々にとっての新たな就業モデルの一つとなります。そして,彼らにはバッタンバンに戻って就業してもらうのと同時に,新たにスタッフを採用した際の指導者としても期待しています。まずは自身のために,そしてゆくゆくは多くの障害を負った人たちのために,2人で協力し合い,切磋琢磨して腕を磨いていってもらいたいです。
プノンペンでの2か月間をDairoku事務所から歩いて5分のこの部屋で2人で過ごします。これまで全く面識のなかった2人ですが,これも何かの縁。協力し合い,切磋琢磨して腕を磨いていってもらいたいです。また,あまり羽目を外しすぎない程度にプノンペン生活(都会生活)を楽しんでもらえたらと思います。それにしてもチャンティ,緊張しているのか表情がずっと硬い・・・。早く慣れろよ(笑)
2013年10月30日更新