『天の恵みに悲喜こもごも』
10月9日(水)
カンボジアでは,10月3日(木)から5日(土)までの3日間は,プチュムバンと呼ばれる祭日でした。このプチュムバンとは日本でいうお盆のようなもので,仏教国のカンボジアにとっては,1年で最も重要な祭日の一つです。祝日が土曜日と重なったため,7日(月)もその振り替えとして休日となり,結果大型連休となりました。この時期は多くの国民が実家に帰省し,寺参りをしたり,家族だんらんの一時を過ごしたりします。
都市部では,一部の食堂や雑貨屋を除いて営業しているところはほとんどなく,普段は人でにぎわう場所も閑散とします。いずれにしてもこの時期は仕事がはかどらないので,CMCのバッタンバン事務所も仕事を早めに切り上げ,スタッフにはしっかりと休暇を取らせ,英気を養ってもらいました。
さて,カンボジア社会は一時的に休眠状態となりましたが,自然界,特に大気は休むことなく活発に活動を続けていました。ただいま雨期真っただ中。連日の大雨により,町のいたるところが冠水してしまいました。
バッタンバン市内大通り。
周辺の家屋も浸水しています。
冠水自体は毎年のことですが,今年は例年になくひどい状況とのこと。ただ,子どもたちは大喜びで水遊びを楽しみ,大人たちもこの状況をけっこう楽しんでいるようです。災害なのか天の恵みなのか・・・。
夕方,家族連れや若者など,多くの人でにぎわっています。まるで行楽地のよう。
事務所近くの通りも冠水。災害時,洗濯用たらいもけっこう役立つかも!?この直後2人で乗ろうとして転覆しましたが・・・。
一家でお出かけ。
学校はそろそろ新学期を迎える時期ですが,とても勉強できる状況ではありません。
学校
廊下
教室
廊下で遊ぶ(泳ぐ)子どもたち
さて,当然ですが楽しい状況ばかりではないようです。月曜日,所用でトゥールポンローの町役場を訪れましたが,そこでは近くに住む村人が避難所生活を送っていました。
トゥールポンローの町役場。ここでは6世帯が避難所生活をしているとのこと。
この役場に避難している世帯は全部で6世帯ですが,村全体ではもっとたくさんの世帯が被害に遭っていると町長さんもおっしゃってました。
MREスタッフの一人ラブットも,家がこの大雨により腰の高さまで冠水したようです。ラブットは,現在身動きが取れず,連休明けも出勤は見合わせている状況です。また,MREの対象地区である,ソムロートやパイリンなども大雨の被害に遭っているとの情報が入っています。
プチュムバン連休はあけましたが,まだしばらくは仕事がはかどりそうにありません。まあ,各村もMREどころではないでしょうし,焦っても仕方ないので,水が引くのをのんびり待つことにします。
文責:曽田実
2013年10月9日更新