カンボジア地雷撤去キャンペーン
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 2月24日(木)
CMCポップイ安陪小学校
バッタンバン州モールセイ郡ボップイ村。
2004年に建設された「CMCボップイ安倍小学校」をスタディツアーでは毎回訪れる。
 子供ってそう言えばこんな風だとぼんやり感じていたら、子供たちの元気に押し流されそうになっていることに気づき、慌てて疲れた体に気合を入れた。舗装のされていない道路を車で走り続けるということは慣れない者にはなかなか大変で、しかし座っていただけなのだから文句も言えまいで、CMCポップイ安陪小学校では元気な子供たちに負けじと、しかしやはりその元気に圧倒されることしばしばであった。
 挨拶の後の授業見学では存分に授業風景を見学させていただき、お客に緊張しながらもハキハキと受け答えをする子供たちが微笑ましく、同様に緊張されている先生方も丁寧に普段の様子で授業を行って下さった。

設立に向けてご支援くださった安倍さん
(2004年他界)の写真が飾られている

一生懸命教科書を読む

 子供たちとの交流にと、ツアー参加者の方々が持ち寄ったオモチャで、やはりここでも大人気を博したのが“シャボン玉”であった。ふーっと吹き出すと逐一全てのシャボン玉めがけて跳ねて転んでじゃれる。その姿は、多くの、ここではないどこかで見たシーンを喚起させた。
そう言えば、太陽の下で作るシャボン玉は鮮やかに見えたこと、子供はシャボン玉が好きだということ、自身もかつて大好きだったということ。ころころと音がしそうなイタズラっぽい子供たちの表情にカメラを向けていると、豊かさと貧しさの定義が今一度、じんわり揺らいだ。
エマージェンシーホスピタル
イタリアのNGOが運営している。戦災被害者救済を主目的とし1997年に建設スタートし、1998年7月開院している。院内を案内頂いたのはメディカルコーディネーターのニコラ氏。それによると概要は病床数106で現在年間約2,000人。患者の95%は一般疾病患者で、5%が地雷・不発弾の被害者であるとの事。病院スタッフ数は200名で90%は診療行為に関わるスタッフで後の10%は病院運営をサポートするスタッフである。
院内を案内してもらうと、A病棟は成人男性の病棟で殆どが交通事故負傷者であるとの事だった。(カンボジアでの交通事故問題はかなり深刻)オペ室は3部屋あり年間約3000回のオペをこなしているとの事。すぐ隣にはICUがあった。C病棟は女性と子供の病棟でここでもバイク転倒による負傷などの交通事故関連が目立つ。現在子供で地雷被害者は病院には居ないとの事である。B病棟は感染症の恐れのある患者の病棟で、この病棟に地雷・不発弾被害負傷者も入院中だった。
2名の地雷・不発弾被害負傷者に話を聞く事ができた。

一人目はトウン・ソクンさん28歳男性、原因は不発弾による被害で、今年2月9日に被害に遭い2月11日に当病院へ搬送されたとの事。右目と左手を負傷されていた。元トランプディーラーを生業としていた彼はたまたま家の近くを草刈中に被害に遭い、その場所は弟さんもかつて何度も草刈をしていた場所だったとの事。その土地がかつてのベトナム軍vsクメール・ルージュの戦場だった事は分かっていたらしい。

事故後は郡病院→州病院→という経路で当病院へ搬送されたとの事。事故当時は気絶したため全く記憶がないとの事。彼はもう、トランプを自分の左指で二度とディールする事は出来ない。
もう一人は26歳の男性。1か月前に対戦車地雷による被害者である。
殺人目的ではない対人地雷と違って、対戦車地雷は爆発のために必要な重量は重く設定されているが、ひとたび爆発すれば、かなりの確率で被害者は死亡する。彼は畑でトラクターを運転中に被害に遭った。右手の損傷は、肉と皮膚を失ったが、移植手術を受け、リハビリをすれば動かせるようになる可能性がある。右の膝下は切断手術を受けたが、膝を残せるかどうか難しいところだった。
膝があるのと無いのとでは、その後の義足をつける際に、大きな違いがあるという。退院後の希望を、彼は「また畑を続けたい」と語った。恐ろしい事故に遭ったとしても、それが彼らの生きる糧で、ほかに生活していく術もない。
地雷被害者となった事について聞くと、遭遇してしまった事はもうどうしようもない事で、他の誰かを恨むような事は無いときっぱり。
2名の被害者の話を聞いた後は、ニコラ氏のオフィスで幾つかの質問後にCMC代表より当病院へドネーションが行われた。

 尚、このような被害者のアフターケアではCMCをはじめとした、NGOがかなり重要な役割を果たしており、今後更に当病院とその他NGOとのコラボレーションは重要となってくる事は間違いない。


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