カンボジア地雷撤去キャンペーン
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 2月27日(金) エマージェンシーホスピタル視察
2月27日、戦争被害者の救済に当たっているエマージェンシーホスピタルを訪問した。この病院はイタリアに本部があるNGOが運営しており、世界中の内戦・紛争地区で被害者の救済に当たっている。スタッフは常に教育を受け、高度な医療技術水準を維持している。
医療は全て無料の上、清潔で明るい病棟、高度な医療設備・技術の為、入院希望者が多く、全てには対応できない。最近は交通事故の患者が急増し、多忙極まりないという。
メディカルスタッフはカンボジア人医師4名、ナース57名、外国人医師など10名、計125名。
地雷被害者の直接雇用に努め、掃除・洗濯などの担当が100名いる。
昨年の来院患者数13,722名中地雷被害者は107名。受け入れ可能ベッドは109あり、昨年の稼働率は95%であった。
2008年、手術数3、477回、入院患者数3,436名、その内、地雷被害者92名、不発弾など45名。緊急な状態を脱したら、国際赤十字など連携している病院に送り、義足を作り、更に退院後の職業訓練など生活の為の援助を続ける。退院後も患部の消毒などでの通院者、再入院患者も多い。
地雷被害者は年々、減ってきているが、それでも月10人は運ばれてくる。私達が訪れた時も3名の
地雷被害者が入院し治療を受けていた。タイに近いパイリン地区など撤去作業が済み、一度クリーンになった所でも、雨期になると豪雨で軽いプラスチック地雷が流されて来て事故が起きている。
ここで大変、感銘を受けたのは、我々を案内して下さったイタリア人のメディカルコーディネーター、
サブリナ女史の言葉であった。地雷についてどう思うかという質問に対し「人類の負の部分の表れではないか。私は戦争・武器そのものがビジネスになっている今の世界に希望が持てないでいる。権力を持った人が貧しい人々を殺す事は許されない。特に地雷のように次代を担う子供たちが傷つけられたら、国自体が貧しいままで成長できない、育たない」とそれまでのにこやかな表情が一変し、その口調は信念に満ちた厳しく強いものであった。

メディカルコーディネーターのサブリナさん

地雷被害に遭ったサラックさん
その後、病室に行き地雷を踏み右足を失ったサラックさんにインタビューしたが「2月13日、木を切っている時、事故は起きた。そこに地雷があり危険と解っていても働かざるを得ない。地雷の事故自体は普通のことでたいしたことではない。各家族に一人は被害者がいるので当たり前のことと思っている」と彼は淡々と悟ったように語った。この発言に対してサブリナさんは「そんな考えが蔓延していることが許されないことなのだ」と更に強く訴えられた。
以前、左足を地雷で奪われていたが、今回農作業中に右足も被害に遭ったプラック・チャンティーさん(40歳)
視察後CMCより支援金が手渡されたが、これまでCMCが渡してきた支援金用の袋がコーディネーターの部屋にきれいに額装されて飾ってあるのがとても印象的であった。

これまでのCMCのドネーション袋が
綺麗に飾ってあった

サブリナさんに千羽鶴を手渡す
世界的な不況が長引く中、このような良質な病院を運営・継続する為の資金確保が懸念される。
CMCの継続的支援がその一助になっていることに喜びと責任を感じた視察でありました。

CMCから支援金が手渡された
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