カンボジア地雷撤去キャンペーン
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 2月27日(金) 第五軍病院
ツアー6日目の2月27日、カンボジア政府が運営する国立第五軍病院を訪問した。はじめにブリーフィングが行なわれたが、使用されたプロジェクターなどの備品はCMCから贈られたものだという。

第五軍病院にてエイズ問題に対するブリーフィングを受ける

ブリーフィングの中でこれまでのCMCの第五軍病院に対する支援について話された
1985年に設立され、当初は「19 JUNE」病院という名称であったが、1997年に移転し、「MR5H病院」と改名され、現在に至っている。
内戦時代、カンボジア全域には多くの地雷が埋められ、その地雷で怪我をした兵士たちはこの病院で治療を受けていた。戦争が終了した現在では、主にHIV患者を受け入れて、無料で診察、治療を行っている。第5軍病院ではHIV及びAIDS患者に対して治療だけではなく、患者1人1人に対して自身が行う健康管理、日常生活の指導やカウンセリングを行うプログラムを月に一度院内で開催している。
現在、医師13人、医療アシスタント47人、看護士100人あまりが在籍している。2008年はHIV及びAIDS患者を376人診療した。現在、AIDS患者が10人弱入院している。そこで私たちは、病院に入院しているエイズ患者にお話を伺うことが出来た。
チュリ・チャンさん39歳(男性)
2度エイズを発症している。一回目の発症で脳に障害ができた。妻と子ども5人の家族で、妻は検査でHIVではないと判明しているが、子供たちはまだ検査をしていないため不明である。 彼は、生きて行ける可能性が高い。そして輸血があれば尚良くなるとのことであるが、カンボジアでは輸血血液を探すことはとても難しいのが現状である。

アラソックさん39歳(男性) 
2週間前に発病した。症状として、肺にと、性器に異常があり深刻な状態である。エイズを発祥し免疫力が低下しているため、小さな病気で命を落としてしまう危険がある。彼の服用する投薬薬剤を見せて頂いた。その数は数種類にも及び、多剤併用療法が開始されている様であった。
チーサンオンさん47歳(男性) 1ヶ月前にエイズを発祥した。妻と子ども4人の6人家族である。しかし、家族には感染していない。チーサンオンさんのお兄さん(66歳)が2001年に病院に運ばれた。お兄さんはエイズを発祥していた。お兄さんを搬送する際、お兄さんの吐血がチーサンオンさん自身の足の傷口にかかったことがきっかけでHIVに感染したと見られている。
カンボジアでは今でもHIVウィルスへの感染が増えており、発見の遅れや、薬不足のために亡くなってしまう人が大勢いるのが現状である。カンボジアの人々は自分がHIVであることを周囲の人に知られたくないために、病院に行かない人が多い。そのため症状は悪化し、病院に来る頃には手のほどこしようがない状態になっている。つまり、救える命が、エイズに対する偏見のために失われているのが現実であるといえる。

病院側は、NGOや政府、地域の人に呼びかけ、理解を求め、病院へ行きやすし環境作りを行っている。 そして、HIVになる人を減らすための教育も行っている。
最後に、病院の医師がこう話した。「戦争も、地雷も、エイズも、交通事故も人が人の命を奪うことに変わりない。」と。戦争が終われば平和が戻るというわけではなく、その後も多くの弊害が多くの人の命、人生を蝕むことがわかった。
カンボジアではまだまだ医療機関が少なく、市民への治療が行き届いていない。しかし、この5軍病院のような地域密着の医療施設がカンボジア全土に広がり、市民が通いやすい病院になることで、HIVの発見にも繋がり、市民の尊い命が救われると思う。一刻も早い、医療設備のカンボジア全土への増加、エイズへの正しい理解が成されることを願いたい。最後にCMCより地雷被害者やエイズ患者への薬代として支援金が手渡された。
大谷代表より支援金が手渡された
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