カンボジア地雷撤去キャンペーン
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 2月15日(木)〜16日(金)
15日(木) CMCボップイ安倍小学校 訪問
翌2007年2月15日、私たちは、CMCが2004年に建設したCMCボップイ安倍小学校を訪問した。ボップイ小学校の建設に至る過程は、後に詳報するが、この学校の周辺はすべて地雷原だった。1986年からこれまでに3人が地雷で死亡している。2004年7月5日に開校した時点で、学校の敷地内の地雷撤去は完了。その後同年8月29日にボップイ村の地雷原のうち71,814uの除去が終わったが、それまでに対人地雷61個と不発弾17個が発見され、爆破処理されている。しかし現在まだ、村全体の除去は終わっておらず、子供たちは地雷原を通って学校にかよっていることになる。
私達の宿舎であり、バッタンバン市で最上級ホテルとされるTE・Oホテル(それでも1人1泊10米ドル=約1,200円)を出発し、国道5号線を南下。5号線の道路事情は実に快適になったが、それを右折してからはあい変らずの砂ぼこり舞うモトクロス用のような悪路になる。約1時間半でボップイ小学校着。校門の手前で車を降り、先生や子どもたちが拍手で出迎える中、CMCの旗を先頭に入場する。2年前に作った子どもたちの制服も着古され、着ていない子も目立つ。勢揃いした子供たちにCMCソングのプレゼント、子供たちからはCMCへの感謝の歌が返された。さっそく授業の様子を参観、大きな声で黒板に書かれたカンボジア語を読み上げる1年生、分数の計算をしている3年生など、それぞれの教室にツアー参加者も仲間入り。その後、校庭に出てサッカーや大縄跳びなど思い思いのゲームに参加し交流する。子供たちは地雷撤去を終えた土地で思い切りボールを蹴る喜びを噛みしめているかのようだった。

地雷の無い喜び、サッカーボルを蹴る!

大きな声で、読む
その間に私は、学校そばに住む村民宅を訪ねる。ヘム・コーンさん(64才)はCMCが2004年11月に作った溜め池のすぐ隣で暮らしている。この溜め池は、水道は勿論、井戸を掘っても水が出なかったボップイ小学校の子供たちのために、福岡県古賀市立舞の里小学校の5年生が中心になり、アルミ缶1t以上を回収した支援金で作られた。CMCは「MAINOSATO ALUMICAN POND 2004」と名付け大切に使うよう指導している。しかし、雨季に降った雨が溜まっているだけなので、赤土も混じり、牛も飲んだり水浴びをしたりするので、濁りがひどい。ヘムさんは、その池の水を大きな水ガメに移して泥など沈殿させ、きれいな部分をまた次のカメに移すという作業を繰り返し少なくとも見た目には透明に近づいたものを家族やボップイ小学校の子供たちに提供している。清潔とはとても言えないが、命の水を供給する貴重な池となっている。水道水に浄水装置をつけ「健康でおいしい水」を毎日当たり前のように使う今の日本人には考えられない世界だろう。ヘムさんにお礼を述べ学校に戻る。最後にCMCより子供たちにノート、鉛筆、先生に1人30ドルのボーナスと筆記用具を渡し、校舎の屋根の修理、溜め池に牛が入らないための柵、新しい制服などを作ることを約束して帰路についた。

子どもたちのために水をきれいにするヘムさん

子どもたち一人ひとりに学用品を手渡す
16日 第5軍病院 HIV/AIDS病棟 訪問
翌、2月16日は、バッタンバン市内の「第5軍病院」を訪れる。名前の通り、ここは政府・軍により運営され、負傷兵の治療を業務としていた。1993年パリ和平条約による内戦終結後、戦争被害者は当然のごとく激減したが新たな患者が増えだした、HIV/AIDSである。1993年に最初の感染者が確認されて以降急速に増加を続け、道路で見る看板も今では「地雷注意!」より「エイズ予防」「コンドーム」が多い位だ。今年この病院で血液検査を受けた1,275人のうち13.5%にあたる173名に陽性反応があり、現在約30床しかないAIDS患者用病棟に26名が入院中である。今年既に13人が亡くなったという。昨年のスタディツアーの際に見舞ったオック・ラクサ君(8歳)とその母親も、残念ながら今年のツアー直前に亡くなっていた。何の罪もない子どもが母子感染などにより幼い命を無くしているのだ。その一方で、我々の支援で回復した人もいたのは救いであった。昨年ICUに寝たきり状態で話すこともできなかったロウン・サエムさんは抗レトロウイルス剤の投与によりめきめき回復し、昨年11月8日に退院しバッタンバン州ワットバンの自宅で暮らしているという。
2006年当時のオック・ラクサ君とおかあさん

給水タンクの前で責任者に支援金を手渡す
資金不足で設備も、薬品も衛生状態すら確保できていないこの病院で今年出会った患者さんのどれだけの人に再会することができるのか・・・CMCが提供した飲料水供給タンクの前で支援金を手渡しながらそう思わずにはいられなかった。


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