カンボジア地雷撤去キャンペーン
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MAG プノンペン事務所 表敬訪問
(記録) 相庭博/由見裕也/滝佳之
昼食後、スタディーツアー同行取材のためカンボジア入りしていた西日本新聞国際部の永田記者も加わり、翌日に控えたMAG地雷原訪問にあたり、CMCのカウンターパートナーであるMAGプノンペン本部事務所を表敬訪問した。カンボジアには地雷・不発弾の撤去活動をするNGOがいくつかあるが、MAG (Mines Advisory Group)はイギリスに本部を置き世界的に活動している地雷除去グループである。カンボジアには1992年に設立され、今年(2006年)で丸14年の活動暦となる。カナダ、USA、EU、日本など多くの国がドナーとなっているが、CMCもカウンターパートナーとして毎年継続して支援を行っている。また昨年2月のラジオ全国放送「VOICE OF HEART」(CMCが地雷被害者の心のケアを目的として放送したラジオ番組)では、MAGスタッフをゲストとして迎えるなど相互に協力関係を築いている。

我々を温かく迎えてくれたMAGテクニカルオペレーションマネージャーのゲイリー・フェントン氏よりMAGの活動について説明を受けた。
カンボジアには22の州があり、平均すると毎日2人、年間700〜800人が地雷・不発弾の被害にあっている。そして被害の約60%がタイ国境近くに集中しており、圧倒的にバッタンバンの被害が多い。また地雷だけでなく不発弾による事故も多い。そして事故は雨季よりも、働きやすい乾季の方が多く発生している。被害状況としては、地雷や不発弾を手に持ってというのが多い。子どもはわけのわからないまま興味本位で手に持ってしまったり、大人は危険と承知しながらも分解して部品を売り、生活の足しにしようとして事故にあってしまうケースがある。

現在MAGは473人のスタッフを雇っており、22の地雷除去チーム(1チーム16人)、10の爆弾処理チーム(1チーム10人)、11の地域調整チーム(村を回り、地雷・不発弾に関する情報を収集する)、テンペスト(潅木除去トラクター)チームで構成されている。地雷除去チームのうち9チームは現地住民をディマイナー(地雷撤去員)として採用し、経費を抑えると同時に、地雷・不発弾に汚染された地域を人道的地雷除去活動の中心と位置づけるようにしている。

【地雷撤去隊員の給与】
現地住民ディマイナー 80ドル/月, MAG専属ディマイナー 160ドル/月

【地雷撤去した後の土地利用】
(1) 農地36% (2) 住居30% (3) 道路20% (4) 学校4%

カンボジアにはMAGの他にもC-MAC(カンボジア政府組織)やHALOトラスト(イギリス)など地雷撤去団体がいくつかあるが、MAGは女性ディマイナー(現在全体の35%)や地雷被害者(現在24人)の雇用を進んで行なうなど他団体としている唯一の団体であり、C-MACやHALOトラスト。また、義足を付けた除去員も雇っている。こういった MAG の姿勢を踏まえた上でCMCはMAGに対しての支援を続けている。

午後2時過ぎ、MAGプノンペン本部事務所を出発。今から5時間かけて、CMCの活動拠点であるバッタンバンを目指す。明日はいよいよ地雷原である。


Vol.3


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