カンボジア地雷撤去キャンペーン
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ゴミ山で働く子供たち
(記録)由見裕也/堀川ひろ子/滝佳之 /八木祐樹/星野智也
・空き缶 1Kg = 約3円

・アルミ 1Kg = 約90円

・銅 1Kg = 約250円

・鉄くず 1Kg = 約15円

・プラスティック 1Kg = 約3〜15円
プノンペンから運ばれてくるゴミが、ゴミ山(ステンミエンチャイStug Mean Chey)へ集まる。辺り一面ゴミ。強烈な臭い(残飯の臭いと自然発火して生じる有毒ガスの臭い)とあちこちから昇る煙と暑さでどうにかなりそうだった。そして大量の蝿が体にまとわりついてくる。カンボジアにはそんな環境で働く人々、住んでいる人々がいる。そんな中に大人に交じって子供が何人もいる。人々はゴミを積んだトラックが来る度に我先にとゴミをあさる。男、女そして大人、子どもも関係ない。
小さい子では、5,6才の子もいた。ここでの仕事は、アルミ缶や、空き缶、紙くずや、プラスティック、鉄などを集め分別し、それをお金にする。生活するための仕事である。しかし、1日のだいたいの収入が2,500リエル(約75円)〜 4,000リエル(約125円)程度と、とても苦しい状況である。ゴミ山の子ども達は、生活水準が悪いせいか、成長も遅れている。はじめ8歳ぐらいだと思った女の子は11歳だった。
同じアジアに生まれてこうも環境が違うことが本当に悲しい。この子たちの環境をつくってきたのは我々大人である。子どもの環境を守るために大人がなんとかしなければならない。また、訪問した2月は乾季であったが、雨季になると状況はさらに悪くなるという。軽いゴミが水面に浮くので子どもたちが誤って深い水たまりにはまり、溺れて死ぬことさえあるという。
確かに危険で劣悪な環境だが、このゴミ山で働いている人たちは、これしか仕事がないというのが事実である。しかし、500人近くの人々の生活の場であるこのゴミ山も来年にはなくなるという。ここで生活している人たちや、仕事をしている人はどうなるのか。ゴミ山で働いてる人にゴミ山がなくなったらどうするのか。聞いてみると、「とりあえず仕事を探す。けど、仕事が見つかるかはわからない。俺たちがこの後どうなるかは分からない。」と答えた。言葉がなかった。ゴミ山をなくしたら衛生上良くなると思う。しかし、そこに住んでいる人たちはどうなるのか…今後どのように生きていけばよいのか・・・。
ゴミ山の入り口付近にある学校は、1997年にスタートした。現在ゴミの山で働く子供191人が通っている。学校では、読み書きなどの基礎教育と衛生教育、健康管理をしている。2003年には美容、ヘアカット、縫製などの職業訓練を開始した。以前あったキリスト教系のNGOはすでに撤退していたが、学校は存在していて見覚えのある先生の顔…。そして子供たちが走り寄ってきて飛びついた。以前は遠巻きに見ているだけで、かつてこんなことはなかった。何度も訪問して一緒に遊んできたからか、このような嬉しい歓迎ぶりは初めてだった。大学生たちは何人もの子供に背中に乗られて嬉しいやらしんどいやら。
第7次スタディーツアーから参加している堀川ひろ子さんより、ゴミ山で働く子供たちへノートが贈られた。
今は日本の大野さんという方が支援を続けている。責任者の女性先生に支援してほしい内容を伺った。文房具が足りない他、健康に関すること(清潔な水、せっけん、歯ブラシなど)の支援を願っている。今年でこのゴミ捨て場はなくなり、キリングフィールド近くのホンケンアイに新しいゴミ捨て場が出来るが、先生は「子供がいる限りここは続けます。」とおっしゃった。


Vol.3


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