カンボジア地雷撤去キャンペーン
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ICRC (国際赤十字)
(記録) 羽田野勝利 / 堀川ひろ子 / 百瀬雄一郎
ICRCとはすなわち国際赤十字の事である。カンボジアでの国際赤十字の活動は、地雷による被害者のために義肢の提供、歩行訓練などを行っている。 ICRCはカンボジアではプノンペン、バッタンバン、コンポンスプーの国内3ヶ所に拠点がある。その中でプノンペンだけが義肢の工場という役割を持ち、義肢に必要な部品を作っている。なお、これは非常に重要なことであるが、プノンペンで作られた部品はICRC だけではなく他のNGOにも無償で提供されている。ということは、義肢は使っていれば壊れてしまうものだが、このときの修理はICRCに来なくてもどこでも修理を行うことができ、障害を持った人々が安心して義肢を使うことができるようになっている。

またICRCで働くスタッフの多くは現地のカンボジア人を採用しており、その中には障害を持った人々も含まれている。MAGでも同じことが言えるが、彼らの考え方は現地の人々の自立を目指すための教育ならびに支援である。

今回訪問したバッタンバンにあるICRCでは障害者の診察、義肢の提供、トレーニングを行っており病院としての機能は持っていない。訪問したときに筋ジストロフィーだという少女が診察を受けていたが、残念ながらここでの治療は行われない。(ただし、他の病院との連携を図っているとの事なので、そちらで治療を受けることができるのではないかと思われる。)

余談ではあるが、ここに来る障害者の20%が筋ジストロフィーなどの病気だという。この病気は残念ながら完治できる病気ではなく、10代から20代の間には死んでしまう。今までの調査の結果、35歳以降の母親から病気を持って生まれる子供が多いとの事である。遺伝性の病気であるため、 ICRCではこれ以上子供を作らないように指導もしているとの事である。

さて、バッタンバンの ICRC が管轄しているエリアは国境付近の5つのエリアであり、ここのエリアの25% の義肢をここで作っている。このエリアは地雷が今なお多く埋められており、被害者が後を絶たない地域でもある。また、広いエリアであるがゆえに、ここまで来ることが困難な障害者もいる。このような人々のためにこちらから探しに行くという事も行っている。

ここバッタンバンのベッド数は全部で120あるが、地雷の被害が増える乾季には足りなくなることもあるそうだ。義肢をもらった人々は朝7時から10時40分まで練習を行い、11時30分に食事という生活を送っている。トレーニングの期間は人によってまた、障害の度合いによって違うが、およそ5日から10日で退院していく。

一通り障害者への対応を聞いた後で、義肢を作る現場を見せてもらった。作り方はまず石膏で障害者の無くなった手足の型を取り、手足のコピーを作る。このコピーに対して、やわらかい素材を巻きつけて足との接合部分を作る。更にプラスチックの板を熱してやわらかくしてからその周りに巻きつけ、ほかの部品との結合部分を作る。あとは、足のコピーの石膏を壊す作業、全体を整える作業、部品を取り付ける作業を行い、一連の工程が終わる。
 ■ 義肢を作る工程
>> STEP1まず障害者の手足の型を取る >> STEP2
出来上がった型に対して人体に接する部分、部品と接合するプラスチック部分と順番に巻いていく。
>> STEP3 プノンペンで作られた義肢の部品がここに納められている。個人差があるため、同じ部分の部品でもたくさんの種類が置かれている。 >> STEP4 ここで各部品が組み合わされ、最終的な仕上げを行う。

階段での歩行訓練を見せてもらった。
この人は膝上から切断を余儀なくされた重度の障害であるが、驚くほど器用に上り下りを繰り返していた。
 

歩行訓練を行う場所の一部。こんな凸凹の場所でも歩けるように練習を行う。


Vol.3


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