地雷被害者のためのラジオ放送『Voice of Heart2013-2014』
3月9日(日)
3月2日(日),シェムリアップのラジオ局にて『Voice of Heart2013-2014』を放送いたしました。出演者は,前回の現地活動レポートでも紹介したソーン・トリーさん(26歳)。
リハビリテーションセンターでのソーン・トリーさん。彼の左側にあるバイクは彼のもので,普通に乗りこなしていました。このバイクに乗ってプレアヴィヒアからシェムリアップまで来たそうです。
本来ならバッタンバン局で放送したものをシェムリアップ州およびバンテアイミエンチェイ州にて再放送するはずでしたが,バッタンバン局の機械の不具合により第5回放送分を録音できず,急きょその埋め合わせとしてシェムリアップのラジオ局で取り直すことになったのでした。今回は,スタディ・ツアーで訪れたリハビリテーションセンターで出会ったトリーさんに出演を依頼し,快諾してもらったことで実現した放送でした。ちょうどその時付添で一緒にいた恋人のターさんにも出演してもらうことになっていたのですが,ターさんの方が用事で出演出来なくなったため,トリーさんのみの出演となりました。
トリーさん(左)とターさん(右)。
トリーさんは,2011年プレアヴィヒア寺院を巡るタイとの紛争時に兵士として国境を警備しており,タイからが放ったクラスター爆弾により左足を失いました。足を失ったときは,深く落ち込み,将来を悲観したそうですが,自分と同じ境遇の障害者仲間の励ましで生きる希望を見いだせるようになったそうです。また事故後に知り合った恋人の存在も生きる希望となっているようです。
決して順風満帆ではなく,今も非常に困難は多いですが,明るくそして前向きに今のことや将来のことを語ってくれました。彼が同じ境遇の障害者仲間に励まされたように,彼自身もまた他の障害者を励ます存在であるだろうし,今後もそうであり続けることを願うばかりです。障害を負った方々の苦しみは,その当事者にしかわからないものかもしれませんが,それでもこのラジオ放送を通して,障害を負いながらも前向きに生きる人たちの声を聴いて,少しでも励みにしてもらえればと思います。
時おり笑顔も見せながら,自身の思いを語ってくれました。
ラジオDJと記念撮影。
文責:曽田実
2014年3月11日更新