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    第19次CMCカンボジアスタディツアー報告

    第19次CMCカンボジアスタディツアー ~プノンペン~

    2月22日(日)より第19次カンボジアスタディツアーが催行されております。今回のツアーは4名が参加しておられます(そのうち1名は途中参加)。イスラム過激派組織による痛ましい事件の影響もあってか,非常に少ない参加人数ですが,その分互いをより深く知れるいい機会と捉えて,いろんな話もじっくりしながらツアーを進めております。

    2月22日(日)

    夕方5時半,参加者がプノンペン国際空港に降り立ちました。この日は昨年オープンしたばかりのイオンで夕食をとり,すぐにホテルで休みました。

    2月23日(月)

    スタディツアーの最初の訪問地として,まずはトゥールスレン博物館へ行きました。当時のまま残された独房や拷問部屋,犠牲者の写真などを目の当たりにしながら,過去に起きた悲惨な出来事に思いを巡らせました。

    画像①
    トゥールスレン博物館。大谷理事長の案内で館内を回りました。

    次にイオンを訪れました。カンボジアの中でも最大級の商業施設であり,現在プノンペンに住んでいる,そして将来プノンペンにやってきて定住するであろう多くの日本人にとっても非常に重要な存在です。

    画像②

    ここで最も驚いたのがアイススケートリンクがあったことです。しかも現地の人たち(カンボジア人)がけっこう上手に滑っていました。採算は取れるのか,今後多くの層に浸透していくのか等いろんな意味で興味の尽きない場所でした。

    午後の最初はセントラルマーケット,ソリアマーケットを訪れました。かつての最大級商業施設であり,今でも多くの人でにぎわっていますが,やはりイオンと比べると時代の流れを感じます。

    画像③

    セントラルマーケット

    その次に倉田さんという日本人が経営されているクラタペッパーという胡椒を販売している店に行きました。ツアー参加者さんたちも熱心に倉田さんのお話を聞いておられました。

    画像④

    右がクラタペッパーのオーナーの倉田さん

    夕方はトンレサップ川からメコン川にかけてボートクルージングをしました。川沿い部分も着々と開発の手が進んで来ており,その様子も眺めながら,優雅にクルージングを楽しみました。

    画像⑤

    涼しくなり始めた夕方,心地よい風を受けながらボートクルージングを楽しみました

    **************************************

    19次CMCカンボジアスタディツアー ~地雷原~

     

     

    2月24日(火)から25日(水)にかけて,2つの地雷原を視察しました。一つはMAG(Mine Advisory Group)の地雷原,もう一つはCSHD(Cambodia Self Help Demining)の地雷原です。

    224日(火)

    早朝5時,一行は一路MAGの地雷原(バッタンバン州コムリエン郡)に向けプノンペンを出発しました。途中朝食,昼食休憩をはさみ,午後1時半にMAGの地雷原に到着しました。現地では,従来の地雷探知機(金属探知機)に加え,金属探知をした上で地中の物体の形状もレーダーで感知することができるという地雷探知機の使用も見せてもらいました。

    画像①

    従来の地雷探知機よりも高性能な地雷探知機。非常に高価な機材だが,作業効率が格段に上がるとのこと

    画像②

    この日発見された地雷を見せてもらいました

    発見された地雷の爆破処理まで一通り見終えた後,一行はMAGの作業員さんたちに別れを告げて地雷原を後にし,この日の宿泊地であるバッタンバン市へ行きました。

    225日(水)

    一行は朝7時に出発し,バッタンバン市からバスで約1時間半のところにあるCSHDの地雷原(パイリン州パイリン特別市)へ行きました。今回の地雷原はかつてクメールルージュが砦を築いたという小高い丘でした。

    画像③

    バスを降りた地点から作業現場までおよそ100m程度坂を登っていきます

    画像④

    丘の中腹辺りまで来て振り返ると,パイリンの街を見渡すことができます

    画像⑤

    地雷撤去作業は丘の麓から上へ上へと進められています

    画像⑥

    以前土砂崩れがあったという場所を見せてもらいました

    地雷撤去作業現場のすぐ近くに土砂崩れがあったという場所があり,案内してもらいました。土砂崩れそのものは規模も小さく,大きな被害を及ぼすものではないのですが,地雷が埋められているであろう土地の土砂が平地へ流れるというところが大きな問題となるようです。通常地雷は埋められてからずっとその場にとどまるものですが,山や丘の多いパイリンでは雨季などによく地雷が移動してしまうことがあるそうです。 厄介な話です。

    地雷の爆破処理まで見終えた後,作業員のみなさんと記念撮影をしました。

    画像⑦

    CSHDのみなさんと記念撮影

    CMCスタディツアーのために都合をつけてくださり,そして笑顔であたたかく我々を迎え入れてくださったMAGとCSHDのみなさん,本当にありがとうございました。

    10時半過ぎ,一行はパイリンを後にし,タイ国境沿いを北へに走り,昼過ぎにトゥールポンロー中学校へ到着しました。

    **************************************

    19次CMCカンボジアスタディツアー ~トゥールポンロー中学校,コーントライ中学校~

    パイリンの地雷原を後にし,午後にトゥールポンロー中学校へ,夜はシソポンで1泊,その翌日の午前でコーントライ中学校を訪問しました。

    225日(水)

    正午過ぎ,一行はバンテアイミエンチェイ州マライ郡にあるトゥールポンロー中学校を訪問しました。

    画像①

    CMC大谷理事長より挨拶,そしてツアー参加者の紹介がありました

    今年度,トゥールポンロー中学校から優秀な生徒を男女1人ずつ選抜し,進学のための奨学金支援をすることが(株)データマックス児玉社長とCMCの間で決定し,この日は事前に選考した生徒の発表が大谷理事長よりありました。

    画像②

    写真右側はタエム・レアカサー君(男子,2年生),左側はミエン・クンティアさん(女子,1年生)

    これを機に,夢の実現に向けて更に一層勉学に励んでくれることを願います。

    教室でのあいさつの後はみんなで外に出て遊びました。

    画像③

    ツアー参加者のみなさんも,生徒と一緒に走り回って遊びました

    画像④

    集合写真

    夕方,一行はこの日の宿泊先であるシソポンのホテルに行きました。ここで,歯科医の尾形愛さんと合流しました。

    226日(木)

    朝,一行はバンテアイミエンチェイ州オーチュラウ郡にあるコーントライ中学校を訪問しました。

    画像⑤

    挨拶と参加者の紹介

    全体のあいさつの中で,私がこの3月でCMCを退職することの発表も大谷理事長よりありました。そして大谷理事長からは事前に準備されたという表彰状とともに暖かい励ましのお言葉をいただきました。至らない点も多々ありましたが,こうして表彰してもらうことができ,非常に嬉しく思いました。残り1か月の任期をしっかり全うできるよう頑張ろうと思います。

    画像⑥

    生徒,先生の前で表彰状をもらいました

    この日は前日夜に合流された歯科医,尾形愛先生による歯磨き指導もありました。カンボジアの公立学校においてはこのような機会を得ることはNGOなどの支援がない限りまずありえないことですが,子どものときに健康に関すること(ここでは歯の健康について)しっかりと指導を受けることは,健康で豊かな人生を送るうえで非常に大事なことだと思います。とても素晴らしい活動だと思います。

    画像⑦

    尾形さんによる歯磨き指導。生徒たちも楽しそうに実践しています

    最後はひまわりの泉というひまわり会が支援して設置した水タンクの前で記念撮影をし,一行はコーントライ村を後にしました。

    画像⑧

    「ひまわりの泉」をバックに記念撮影

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    19次CMCカンボジアスタディツアー ~ホンダ・バッタンバン営業所,プノム・ソムパウ~

    コーントライを後にした一行は再びバッタンバンに戻りました。昼食後,まずはバッタンバン市内にあるバイクの販売店ホンダ・バッタンバン営業所に行きました。

    画像① (1)

    ホンダ・バッタンバン営業所

    ここでアジアンホンダモーター様よりCMCへいただいたバイクの新車3台の贈呈式が行われました。これまでもCMCのバッタンバン事務所には業務用バイクが2台あったのですが,これももともとはアジアンホンダモーター様よりいただいていたもので,今回は長期間酷使してきたそのバイクの代わりに,新しいバイクを頂けることになったという次第です。アジアンホンダモーター様には心より感謝申し上げます。

    画像②

    大谷理事長より感謝状が営業所所長に手渡されました

    夕方は,市街地から南西へ約20㎞程離れたところにあるプノム・ソムパウというところに行きました。プノム・ソムパウは周囲を平野に囲まれた小高い山で,山頂からは壮大な平野が一望できます。また,ここはかつての内戦の激戦地でもあり,いわゆるキリングフィールドと言われる処刑場もあった場所で,我々も歩いてまわりました。

    画像③

    標高はそんなに高くないとはいえ,けっこう急な階段や坂をを延々を登り下りします

    画像④

    壮大な景色をバックに記念撮影

    画像⑤

    途中たくさんの猿に遭遇します。人懐っこくてかわいいのですが,食べ物を持ち歩いていると奪いにくるので要注意

    心地よい疲れと適度な筋肉痛を残し,この日はバッタンバンのホテルで休みました。

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    19次CMCカンボジアスタディツアー ~ボップイ小学校,軍病院~

    2月27日(金)

    朝,一行はバッタンバン州モーンルサイ郡にあるボップイ小学校に行きました。ここでも,コーントライ中学校同様,尾形愛先生による歯磨き指導がありました。また,参加者の1人である坂本さんによる折り紙教室もありました。

    画像①

    まずは全校児童にツアーメンバーより挨拶

    画像②

    「今歯が痛い人いますか?」の質問にけっこう多くの手があがっています

    画像③

    尾形先生扮するウサギの歯医者さんが子どもたちに歯磨きの大切さを教えています

    画像④

    尾形先生といっしょにみんなで歯磨き

    画像⑤

    みんな丁寧に磨いています。家でもしっかり歯磨きをしてもらいたいものです

    画像⑥

    坂本さんによる折り紙教室

    画像⑦

    となりと確認し合いながら一生懸命に折っています

    画像⑧

    出来上がり

    歯磨きも折り紙も楽しくできました。

    午後はバッタンバン市内にある軍病院に行きました。

    画像⑨

    到着時,院長先生はちょうど患者を手術している最中でしたが,終了後すぐに我々に会いに駆けつけてくださいました

    お話を伺うと,病院は年々設備や薬等も充実してきているとのこと。ただ,学校などと同様都市部と田舎では整備の度合いが全然違い,田舎に行くほど整備は遅れています。どの地域でも医療体制が充実し,安心して暮らせるようになることを願うばかりです。

    画像⑩

    記念撮影

    この後,一行はバッタンバンを後にし,一路シェムリアップへ。プノンペンから始まり,長い距離を移動してきたツアーも大詰めを迎えます。

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    19次CMCカンボジアスタディツアー ~シェムリアップ~

    2月22日(日)にプノンペンから始まったスタディツアーは,バッタンバン,パイリン,バンテアイミエンチェイと続いた後もう一度バッタンバンに戻り,そして最後の都市シェムリアップに入ります。

    2月28日(土)

    朝,まず最初に鬼一二三日本語教室を訪問しました。

    画像① (1)

    スピーチコンテストでの発表の練習。まだまだ経験が浅く,たどたどしいスピーチではありましたが,この教室から輩出された数々の優秀な先輩同様,これからめきめきと力をつけていくことでしょう

    画像②

    続いて優秀な先輩。格の違いを見せつけるかの如く,内容も話ぶりも実にすばらしい,立派なスピーチを披露してくれました

    教育環境がなかなか整備されないこのカンボジアの地で,鬼先生は長きに渡り日本語教育を通して多くの優秀な人材を輩出してこられました。そして飽くなき向上心で自らも勉強を続けておられます。心から敬服いたしますとともに,今後もますますのご活躍をお祈り申し上げます。

    午後はアキラ地雷博物館に行きました。アキラが取ってきた地雷や不発弾,そして様々な写真を通して,アキラの半生をはじめカンボジアの地雷問題などを垣間見ることができました。

    画像③

    アキラが取ってきた地雷。膨大な量のほんの一部がここに展示されています

    その後は,地雷博物館からシェムリアップ市内へ帰る途中にある「一ノ瀬泰造の墓」へ寄って帰りました。

    画像④

    ここに一ノ瀬泰造の遺骨の一部が埋められているらしい

    3月1日(日)

    この日は終日アンコール遺跡群を観光しました。

    画像⑤

    お堀の向こうはアンコールワット

    夜は福岡でカンボジア料理店を営んでおられるというスロスさん宅にお邪魔し,夕食をよばれました。

    画像⑥

    豪華な家庭料理をいただきました。一番右の赤い服の女性がスロスさん

    3月2日(月)

    いよいよ最終日。この日はワットトメイ,義足リハビリセンター,Little Angel(伝統工芸の影絵をつくっている孤児院)へ行きました。

    画像⑦

    ワットトメイにある慰霊塔。クメールルージュにより殺された方々の遺骨がまつられています

    画像⑧

    義足リハビリセンター内の作業所。義足が作られています。地雷被害の件数は年々減少していますが,代わりに交通事故により四肢を切断する患者は近年増え続けているようです。義手・義足を必要としている状況は以前と変わらないのですが,地雷被害者支援を名目にこの施設を支援を続けていたハンディキャップインターナショナルが地雷被害者の減少を理由に撤退した(運営及び管理の権限は政府に移譲された)ことで,運営はかなり厳しくなっているようです。

    画像⑨

    影絵工房Little Angel。子どもたち主導の下,影絵作りの体験もさせてもらえます

    午後はマッサージを受けたり買い物をしたりと参加者さんたちは思い思いにゆっくりと過ごされました。そして,最後の夕食を共にした後,空港にてお別れをしました。プノンペンに始まり,カンボジア北西部(バッタンバン,パイリン,バンテアイミエンチェイ)を経由してシェムリアップで締めくくる実に濃厚な9日間(飛行機で過ごす時間も含めれば10日間)の旅でした。

    多くの方が治安を懸念されますが,経済発展に伴い,年々治安もよくなりインフラも整備されてきてとても過ごしやすい国になりつつあります。一方,都市部を離れればまだまだ未開発な部分が多く残されていますが,それゆえに日本にはない魅力も多くつまっています。今回は非常に少ない参加人数でしたが,これからもより多くの方々がカンボジアを訪れ,その良さ味わってもらえることを願っております。

    ―終わり―

    文責:曽田実

     

     

    2015年3月4日更新

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