第14次スタディツアー参加者の感想 |
第14次スタディツァに参加して 鬼木美佐子 |
「地雷に遭って苦しんでいる人達にカンパお願いしまーす!」「百円で1uの地雷撤去ができます!」「ご協力お願いしまーす!」、事前研修の終わった後、天神の交差点前で行きかう人々に声を張り上げながら訴えた。見知らぬ人達に声を掛けてお願いをするなんて初めての体験で、気恥ずかしくて大きな声を出せないでいたが、友が慣れない言葉に始めもごもごしながらも一生懸命声掛けをしているのを聞いてとても励まされ、私も元気に呼び掛けていける様になっていった。まず、知らない人にカンパのお願いをするという関門を通ることからスタディツァは始まった。
V06年カンボジア訪問以来ガイドのピシット君によってカンボジアに関わる様になってきた。我々カンボチャの会としてこの国の本当のところをもっと広く深くみたい、その中で何か我々でも出来る事をしたいと思いながら、なかなかこれという手立てもなく手をこまぬいていたところ、折しも友が新聞の記事を持って来てくれたのがCMCのことだった。どんな働きをされているか、兎に角講演があると聞いて出かけて行った。その時の大谷氏の対応には気配りがあり明るく誠実さを感じた。もっとよく見、知る事、感じる事だという事にまず思いが一致。そこで今回のスタディツァにという話になっていった。
若い人たちに交じって年齢的に体力、のみならず記憶力、思考力にとハンディの不安を抱えての参加となったが、五人いれば怖くない・・でもないが、この機を逃したら本当のところを見、知る機会はないだろう、今が一番若いのだからとお互いに奮い立たせ気持ちを高め合ってツァに臨んだ。
長い間戦いの連続だったこの国の悲しみは、さまざまの分野における指導的立場にあった人々を失ったことや負の財産地雷がまだまだ沢山残され、今尚被害が絶えず、終結していないところにある。生活の為やむを得ず、危険だと分って地雷の残っている地で働かざるを得ない現実、こんな悲しい事はない。イタリア支援の清潔感のあるエージェンシーホスピタルに、昨日運ばれて来たという片足を失った男性、自分の土地を耕していて被害に遭ったと聞いて、憤りを覚えた。弱者に皆そのしわ寄せがきている。トゥールスレーン収容所で僅か助かった内のお一人、チュンマイさんらが受けたポルポトによる残虐極まりない拷問、想像を絶するお話に身の毛もよだった。同じ収容所でもドイツでみたダッハウやブッヘンワルトとは全然違うがどちらがどうだとは言い得ない。言えるのは戦時下における人間の異常な心理行動の恐ろしさ。キリングフィールドで幼い子達が樹に叩きつけられ、あるいは銃で弾を使わず何ともむごいやり方で命を絶たれたと聞かされ、また人骨や衣服があちこちの地面から未だ出ている道を歩くのは、胸苦しくやり切れなかった。
小学校や孤児院を訪問して子供たちとのふれ合いが多かったが、ニッコリ笑う顔、澄んだ眼が輝いていていきいきしていた。親と切り離されて暮らす子供達が孤児院ではどんな生活をしているのか、日常の過ごし方をもっと見てみたかった。矢張り大事な事は人を育てることだと思うし、その日々の暮らし方がとても大切だと思うから。大人も共に育ち合う事がとても大事だと思う。
底辺にいる弱い立場の人、苦しんでいる人が多くおられる中何をし、どれだけ添えられるだろうか。大谷氏は、思った人が思った事をして下さいと言われる。今回のツァで色々なところで色々な人の話を直に聞け、現実の姿を多く見せて頂けた。その随所でCMCが、今迄カンボジアが本当に必要としているところにケアし、絶えず誠実に関わってこられた様子が窺えたし、カンボジアの現実を周りの人達、殊に若い世代に伝えることにエネルギーを注がれている事も知った。心動かされて行動を起こし、収益を得て届ける日本の子供たちのハートにも感動し、人と人とがつながって行く素晴らしさを覚えた。私もこれから具体的にどのようにカンボジアと関わるか、もう少し時間を要するかもしれないが、気長に気負うことなく、色々な形から考えて出来るところを、じっくり関わっていきたい。
日々忙しく過ごしている日常から離れ、全く違う世界に入ていき、参加者16名老若男女が初めて出会って10日間、非日常の行動をカンボジアで共に経験してきたことの不思議さを今思う。
今又元の生活に戻りじわじわとこの世界で見たこと、聞いたこと、感じたことの貴重な体験を、それぞれがこの一点で繋がり、根下ろしてしっかりと表していくことだ。
我々、今回の愛すべきメンバー!老年?の方々(おっと、私もそのお仲間か)の熱さもさることながら、若い人たちはしっかり志をもっていて素晴らしい!皆優秀な魅力のある若者で、この日本、満更でもないわ、と思えた。
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口座名 カンボジア地雷撤去キャンペーン |
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