スタディーツアー感想
中島 久美子(第9次スタディーツアー 参加)

飛行機は遅れ、体調も悪くドタバタだった1日目。一日に6カ所も巡り、ハードスケジュール過ぎて必死だった2日目。3日目夕方、プノンペンからバッタンバンに続く国道5号線でバスに揺られながら、平べったい大地に沈む夕日を見たとき、「ここはカンボジアなんだ」と初めて実感しました。
 ツアー中の10日間はもしかしたら、私の人生の中で一番濃密な時間だったのかも知れません。地雷原では、命を張りながらもにこやかに誇りを持って仕事をしている地雷撤去作業員の方々に会いました。クバルムース村では、学校で友達と共に学び遊んでいた子供たちの笑顔に会いました(カンボジアでは子供の笑顔は貴重なもののように思えるのです)。国際赤十字義足センターでは、左足を失いながらも前向きに一生懸命に義足での歩行訓練をしている方に会いました。毎日が出会いの連続。ほんの一瞬だけでも彼らに会えたこと、これからの私の糧になるでしょう。

 1970年のロン・ノルのクーデター以降、ポル・ポトの恐怖政治をはさみ、泥沼の内戦は1998年まで続きました。バッタンバン州は特に戦禍の激しかった地域とききます。でもいざバッタンバンの街をぶらついてみると、その居心地の良さといったら。戦争の名残を感じさせないのです。女子中学生が露店でお茶を飲み、子供が店先で遊び、商店の中ではおばあさんが居眠りをしていて・・・。なんとも、のどか。激動の時代を経ていてもそれを感じさせない、街の人々のゆったりとした暮らし方を見てバッタンバンがとても好きになりました。
 
 地雷撤去についてだけではなく、カンボジアという国が抱えている色々な側面を知ることができ、とても勉強になりました。日本という恵まれた国に暮らしていると、世界の大半の国で起きている現実が身近に感じづらいものです。しかし実際行ってみると、厳しい現実を目の当たりにして、「何かやらなくては」
いう気持ちがわき上がってきます。これからの自分のためにも、このスタディツアーに参加してよかったと心から思いました。


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