スタディーツアー感想
中野 寛 (第6次スタディーツアー 参加)

 この旅は僕の人生観を変えることになった。 参加する前から、カンボジアでは日本では体験できない多くのことがあることは予想していた。 そして実際に現地に行ってみると、何度も言葉では表せない感情になったのだ。 それはこのツアーの主旨である地雷に関する事からだけでなく、カンボジアの日常によってである。 義足をつけた人々がいるのが当たり前の日常、ゴミを拾って何とか一日を生きている人々がいるのが当たり前の日常、物乞いをしなければ生きていけない人々がいるいのが当たり前の日常、地雷の被害に遭う人がいるのが当たり前の日常。 カンボジアでは悲しい日常が繰り返されていた。

僕はこの旅で何度も泣いた。 凄まじい悪臭と、最悪の衛生状態のゴミの山で働き、生きている子供達を見たとき泣いてしまった。 エマージェンシー・ホスピタルで出会ったマノーラ君が「アイスクリームが食べたくてお父さんの手伝いをしていた。それで地雷を触ってしまった。」と話してくれた時、泣いてしまった。 地雷原で、地雷撤去をしているすぐ近くで遊んでいる兄弟を見たとき、泣いてしまった。 なぜ生まれた国が違うだけでこのような仕打ちを受けなければならないのか? 日本で何度も考えたはずの素朴な疑問を、その度に投げかけずにはいられなかった。

カンボジアの人々は、素晴らしい笑顔を見せてくれる。 モンドルベイ村の人達、ゴミの山の学校の子供達、小椋小学校の子供達、職業訓練所で学んでいた人達、バッタンバンの川で遊んでいた子供達、市場で身振り手振りで何とか話そうとしてくれた店の人達、シェムリアップまで船で移動している時、川岸から手を振ってくれた人達。 皆眩しいほどの笑顔だった。 しかし、地雷原で出合った兄弟、地雷の被害に遭い入院していた人達は笑ってくれなかった。 「地雷さえなければ、この人達も素晴らしい笑顔ができるんだろうな…。」そう思うとやりきれない気持ちになった。

モンドルベイ村を訪れた時、幼稚園の子供達が木に登って花を取ってきてくれた。 僕達は、彼らに何をあげられるだろうか。それは暴力や無関心であってはならないはずだ。 今こそ僕達は、国や人種の違いを乗り越え、地球人として仲間に優しい手を差し伸べなければならない、それを再確認することができた旅になった。

最後に、この素晴らしいツアーを企画し、引率していただいた大谷さんをはじめ、一緒にカンボジアを回った参加者の人達に感謝の意を表したいと思います。 そしてこれで終わりではなく、この旅をきっかけとして皆さんと共に活動の輪を広げていきたいと考えています。 これからもお力添えをよろしくお願いします。

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