■ スタディーツアー感想 ■ |
阿部 容子(第9次スタディーツアー 参加) |
今までの人生の中で一番濃い10日間だったといっても過言ではないくらいに、充実したツアーでした。最初は飛行機が遅れたこともあって不安を感じていましたが、14歳から66歳の幅広い年齢層の人たちと共に過ごし、共に感じるという時間はとても貴重だったと思います。 私が今回のツアーで特に印象に残ったのは、ごみの山と第5軍病院でした。今思うと恥ずかしいことですが、実際にごみの山をみるまでは、10人くらいの子供が小さい公園ほどの広さのごみの中から、使えるものを探しているだけだろうとばかり思っていたのです。ところが目にしたものは見渡す限りのごみと、何百人という人。ものすごくショックでした。匂いは、覚悟していたほどではなかったのですが、ごみ収集車が通るたびにズンズン揺れる地面や、ごみを集めるためのとがったスティックを持つ子供たち、見たこともないくらいに多くのハエがたかっている残飯、何から何まで私にとっては痛ましい光景でした。でもここで働く人がこんなにいて、ごみがあるからこそ彼らの生活が成り立っているのだという事実に、言いようのない違和感を覚えました。こういうときに、「ショック」だとか、「可哀想」だとか思っていいのだろうか、とも考えました。まるで世界が違っていて、ごみ山での生活が普通だと感じているあの人たちの目に、視察に来た私たちの姿はどう映っていたのでしょうか・・・ そして第5軍病院で出会った多くのエイズ患者の人たち。「彼らはもう助からないんだ」「来年まで生きているか、わからないんだ」と思うと悲しみが押し寄せてきて、そんな硬くなった私たちの表情とは裏腹に、エイズ患者の中には笑顔の人たちが何人もいて、それを見て私は余計苦しくなりました。このツアー中に涙を流したのはこの場所が最初で最後でした。泣こうにも、彼らの前ではとても泣けない。必死にこらえてもどんどん涙があふれてくるなんて、もう何年もなかったことでした。 このツアーは、楽しかったし、悲しかったし、嬉しかったし、怖かった。でも一番貴重だったのはたくさんの人と出会えたことだと思います。そしてCMCの仲間にもめぐまれたなあとつくづく思いました。ブランデーを水筒に入れて持ち歩く大谷代表をはじめ、個性あふれるメンバーと過ごした10日間は、終わってしまえばあっという間に感じるものの、中身はたくさん詰まっていてとても楽しかったです。会って3日経たないうちにみんなと仲良くなり、夜は飲みながら遅くまでしゃべったりもしました。メンバーが良かったからこそ、身体的にも精神的にも10日間フルに頑張れたんだと思います。また、同じ目的をもって来ているからこそ、自分たちの意見を言い合うことができたのもメリットだと思います。学校の友達と、カンボジアや地雷について厚く語り合うことなんてありませんから。けれど、ツアーから帰ってきてから今までに何人地雷被害者が増えただろうかと考えると、やはりぞっとするし、悲しくなります。ツアーで見たことよりも、感じたことを忘れずに、日本で活かしていけたらと思います。どうもありがとうございました。 |