■ 大火傷を負った少女
5月12日(水)、卒論研究のため来ていた看護学生の山本さんとボップイ地区を訪問、各家庭の医療調査を行っていた。
ある家を訪問した時、我々は上半身のただれた少女(10歳)と出会った。それは本当に、目を背けたくなるほどのひどさだった。上半身の前、後ろとも皮膚はただれ、右胸と右腕部分は、肉が剥き出しになり膿んでいる。右手も変形していた。
母親の話しによると、傷は5ヶ月前に熱湯をかぶってしまった為。タイの病院に連れて行ったが、お金が無いため手術は受けられなかったという。その時に薬だ
けもらい、それを今も飲んでいるが、山本さんが薬を見ると、3つのうち2つの消費期限は切れていた。
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山
本さんと相談し、エマージェンシー病院の院長に写真を見てもらうことにした。エマージェンシー病院は、戦争被害者のための緊急病院で、治療費、滞在費など
全て無料。地雷被害者も多く、CMCも毎年ドネ―ションを行っている。幸いにもベッドに空きがあり、院長から17日(月)に彼女を病院へ搬送することで許
可を得た。
再び村を訪問し、病院が彼女を受け入れてくれること、皮膚移植手術が必要なことを家族に説明した。そして、当日の午前5時半より彼女を迎えに行き、彼女を病院へ送り届けた。 |
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皮膚移植の手術を無事終えた彼女は、現在も付き添いの祖母といっしょに入院している。医師によると、彼女の傷は重症で、退院まで数ヶ月要するという。
病気や怪我をしても病院に行く事が出来ない、治療してもらえない。それが貧しさの結果だ。そしてこのような事態は、彼女だけでなく、カンボジア全体で起こっている。 |
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