スタディーツアー感想
阪田貴幸(第7次スタディーツアー 参加)

 カンボジアでの10日間を通じ、できれば目を背けたい人間の一面、そしてその一方で大きな人間の可能性も見た気がする。

 プノンペンでのガイド・バサラさんによるトゥールスレーン収容所での突然の告白。「私の父、兄、弟もこの地で殺され、私は孤児院で育ちました。」あまりに突然の告白に我々は言葉を失った。彼自身も、ポルポト時代に起こった悲劇に巻き込まれた一人であった。また、Emergency Hospital(戦争被害者病院)で目の当たりにした地雷被害の現実。被害者の一人、KONG SARON君(19歳)は、私たちが病院を訪れた本の一週間前に地雷を踏み足を失った。こうした被害者の一人一人には家族があり、将来があり、生活がある。その歯車を一瞬で壊してしまう兵器をなおも作り続ける人間。

 一方、この10日間で人間の可能性を様々と見せつけられ、何度も勇気付けられた。ゴミの山のすぐ横にあるヘルスセンターにて、凄まじい悪臭、ハエが飛び交う中、衛生教育などのボランティアをしている鎌田さん。誰もが顔をしかめたくなるような環境の中で出会った彼女の笑顔は決して忘れないだろう。また、モンドルバイの小学校での子供たちの力強い歌声、純粋な眼差しはきっと将来を見据えていただろう。そして、このツアーの参加していた皆の内に秘める熱き思い。大谷さんをはじめ、そうした思いを実行に移されている方々には本当に勇気付けられ、触発された。

 カンボジアで感じ、考えたことを内に秘めているだけではそれこそ自己満足で終わってしまう。これから様々な人の力を借りながらそうした思いを実行に移して行きたい。人間の大きな可能性を信じて。


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